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犬連れの旅
[特集]紅葉を見に北東北への旅
犬連れの旅
[特集]紅葉を見に北東北への旅
2008年10月13日(月) |
実際には12日の夜、一路田沢湖に向けて出発です。 |
食後、大観光地の小岩井牧場に寄りました。駐車場が異様なほどの車で溢れ、正直驚きました。3連休最終日という事もあるのでしょうが、地元ナンバーが特に多くのが特徴です。場内は犬連れで入れますが、許される範囲がとても狭いのと、くーのおなかの調子がちょっとよくないので結局入らず。周辺のよさげなロケーションをみつけてくーを散歩させたり、写真撮影をして楽しみました。 |
田沢湖の手前で乳頭温泉郷に入り、日帰りで入れる奥の方の黒湯に向かいます。予想通り観光客も多く、駐車スペースも満車近い状態。タオル1本だけもって、入浴タイムです。ひなびた雰囲気の中にも、しっかりした建物は古いものではないようでした。露天では見事な紅葉の山肌を眺めながら、好みの白濁した熱めの硫黄の湯で暖まります。 |
待っていてくれたくーにおやつをあげ、今度は鶴の湯へ。既に外来の時間はすぎているので入浴はできませんが、私にとっては25年ぶりに訪れる秘湯。日本全国の温泉でトップ10に入る人気の湯です。別館のような大きい建物が手前にできていたり、新しい建物や併設されていたりと、随分洗練されてしまったような気がします。 |
ここの温泉はとても好きなので、妻に入らせてあげられないのが残念でした。犬連れでは泊まれないのでどちらにしても無理なのですが。私としてはアプローチのダートは何とか少し残っていたので、ちょっとほっとしました。 その後山を降り、夕陽に染まるダム公園の草原でくーとディスクでちょっと遊んでやりました。車の中での移動が長かったので、ストレスも溜まっているでしょう。太陽が山に隠れるまで遊んだあと、宿へ。 |
この時期は17時には真っ暗です。この旅の間、行動できる時間をちゃんと把握していなければなりません。特に北なのでその分尚の事短いでしょう。すっかり真っ暗の中、宿にチェックイン。とても手をかけた温かみのある地元の素材を使った料理は、大満足でした。寝る前にお風呂に入り、明日からの車中泊の準備をしたあと、コテージのロフトで寝ました。 |
2008年10月14日(火) |
普段の生活から、5時半に目が醒めました。外に出てみると本館の方からキツツキのドラミングが聞こえました。しばらく見ていると、音が止んだと同時に大きな鳥が飛び去って行きました。庭の向こうの林の合間から、田沢湖が見えます。 荷物を車に載せたり、テレビで天気予報を見たりしていると、妻も起きてきました。くーが外に出たいというので、朝の排泄を兼ねた小散歩。ほぼ出かけられる状態にした上で、朝食を頂きます。最近はパン食が多いのですが、朝からご飯食というのが新鮮で、思わずおかわりしてしまいました。 食後、改めて田沢湖畔をくーと散歩。朝から嬉しそうに透明な湖に入り込んで走っていました。今日はこの旅一番の難所ルートなので、30分ほど散歩をしたあと、9時前に出発です。 R105を北上し、二ツ井から山道へ。太良峡から先は道も細くなり、順調に高度をあげていきます。もうここは白神山地の懐です。切れ込んだ谷の上にある釣瓶落トンネル手前で車を停め、ピークのちょっと前という感じの紅葉を楽しみました。トンネル手前で敷物を敷いて芋煮会をしているおばさん4人の存在に驚きましたが、くーを可愛がってくださいました。 |
トンネルを越えて少し先、いきなり下りから未舗装路になりました。それまで秋田側は簡易舗装されていたのですが、その道のどまん中に400ccのオンロードバイクが横転しています。ライダーは札幌ナンバーの体格のよいおじさんでした。 とりあえず車を停めて転倒車の引き起しなどお手伝い。最初イグニッションスイッチがONにならないのが妙でしたが、メーターが壊れて動かない事に気がつきました。ニュートラを探し、キャブだったのでスロットルを開け気味にしてセルを回すと、しばらくして息を吹き返しました。オーナーの安堵のため息が聞こえます。 ウインカーは壊れメーターは動きませんが、シフトペダルもレバーも問題ないので自走できます。ただここから青森側はまだ未舗装があるはずだと伝えると、秋田方面に引き返していってしまいました。砂利道を走る事は相当に苦手な方のようでした。 |
私達はその後断続的な未舗装路を抜け、アクアグリーンビレッジANMONに到着。12時前に到着したかったのですが、13時とちょっと遅いお昼になってしまいました。ホワイトカレーときのこそばと名物のりんごソフトを食べて早々に出発です。 ここからの白神ラインは殆どが未舗装路です。津軽峠に向けて走っていくと、観光バスや普通車がやたらと擦れ違います。最後は先行されて当然追い越せず、車は埃で真っ白になってしまいました。立派な駐車場がある津軽峠に車を停め、マザーツリーまで歩くと、その先から美しい岩木山が望めました。 |
赤石林道との分岐までは砂利の状態も悪くなかったのですが、途中赤石林道を鯵ヶ沢方面に入った途端、道はガレてきました。大きめの石が頭を出し、段差が激しく車は大きく跳ねます。由もくーも乗っているので少しでも揺れないようにと神経を使って丁寧に走りますが、ヘトヘトになってしまいました。 |
白神さん家という洒落た名の避難小屋を越え、舗装路に出てすぐ熊の湯という1軒宿に出た所で休憩にしました。まだ15時すぎですが、温泉タイムです。入ってみるとここのお湯は鉄分濃度が濃い真っ赤なお湯。髪の毛も肌もギシギシ言い、タオルも真っ赤に染まり、これでは入った気にならないという事で、改めて別の温泉があったら入ろうという事にしました。 十三湖方面に向かいますが、どんどん日が暮れてきます。道の駅で名物のしじみ定食でも食べようと思っていましたが、営業時間には間に合いませんでした。他にも探したのですが食事ができそうなお店はまったくありません。町を通過した時、1軒だけ普通の中華料理屋の電気がついていたので、とりあえずそこに戻って営業しているかを聞いてみました。 店主は営業中との札を出してはいますが、厨房の電気はすっかり消していて、お客さんもおらず客席でテレビをみていました。聞いてみるとやっているそうです。ここから先はもっと店が無くなりそうなので、仕方なくそこでしじみ汁がついたカツ丼と親子丼で夕食としました。 とりあえず暖かいご飯を食べられたので、ちょっとだけほっとしつつ、真っ暗ですが時間は18時前なのでまだ移動できるという事から、予定通り竜飛崎まで行ってみようという事にしました。 中泊という小泊の手前の海岸線で、雄乃湯温泉という看板をみつけて急停車。旅館のようですが日帰りもできるというので、ここで仕切りなおしの温泉タイムとしました。 温泉は貸し切りで誰もいません。窓の向こうは真っ暗な海。向こうに小泊の町の明かりが見え、水平線の向こうには漁火が点々と見えています。お湯はちょっとカルキ臭が感じられますが、普通の温泉のようでゆっくりと体を温めて肩をほぐしました。 駐車場でくーを少し歩かせて北上再開。小泊近くでランランと明るいサークルKを見つけて思わず立ち寄りました。驚く事に都会と同じぐらいの品揃えで、ここで弁当でも買えば良かったと少々悔やんだほどです。風呂あがりのアイスクリームと夜のお菓子とデザートを買いました。 この段階で時間は19時前。明日の朝、目覚めたあと車を移動させずに階段国道でくーと散歩しようという当初の計画通り、真っ暗な中、竜泊ラインの峠道を上り始めました。他に誰もすれ違わない真っ暗な中、少しづつ竜飛崎に近づいていきます。 途中の景観ポイント、眺瞰台展望台には1台車中泊の先客が居ました。ここはトイレも使えるし、絶景ですので車中泊にはよさそうです。この眺瞰台展望台は道の撮影ポイントで、知人のカメラマンが「日本百名道」という美しい日本中の道をまとめた写真集の中にも取り上げられているのですが、既に真っ暗でうっすらとしか道が見えません。それではと三脚を取り出し満月に近い明るい月が薄雲の間から顔を出す時を狙って、長時間露光で撮影してみました。これが思いのほか 晴らしい出来でした。 竜飛岬に近づいていくにつれ、雨が降ってきました。道の駅の場所がよくわからずちょっと迷いましたが、階段国道へ歩いていける場所の駐車場に立派なトイレがあったので、今日のお宿は決定。2台の先客がいたので、邪魔にならないよう端の方に停め、寝床を作って21時に就寝です。 |
2008年10月15日(水) |
太陽がのぼって間もなく、目を醒ましました。外に出ると快晴で気持ちのよい朝です。観光客なのか老人が朝の散歩の途中に竜飛岬が流れるオブジェを押していき、静寂が破られると妻も起きてきました。 まずは人がいないうちに階段国道の脇へ車を移動して記念撮影。数枚撮影したあと改めて駐車場に戻して、今度はくーを連れて階段国道を散歩開始です。 まずは下り。くーは誰もいない階段を嬉しそうに飛び回ります。眼下には漁港、海の向こうは北海道もよく見えています。くねくねとつづら折りの階段を下りていくと、民家の間を縫うように歩道が続き、それを抜けると道大きい車道に出ました。 目の前の漁港まで行ったあと折り返し、来た道を戻りますが、飼い主は階段を喘ぎながら休み休み登るはめに。くーは当然ですが全然平気にこちらを振り返り笑顔で追い着くのを待っています。階段脇にはこんな時期に紫陽花が咲いていて不思議な感じでした。 中間地点にあった水場で一息。朝日に眩しい竜飛の漁村を眺めながら、本州の果てまで来た事にあらためて感慨深く思うのでした。 車に戻って今度は灯台脇の駐車場へ。まだ8時になったばかりだというのに、観光バスが1台やってきました。大勢の観光客が順番に記念撮影で大騒ぎです。くーを連れて灯台まで軽く散歩をし、車で簡単な朝食。くーにも食事をあげ、もう開いている土産物屋のおねえさんにくーは遊んで貰っていました。 道の駅みんまやに戻り、青函トンネルの地下駅へのアプローチがある展示館が開店するので少し待ちましたが、始発が9時という事と、往復で相当時間がかかりそうなので諦めました。今日も結構走る予定なので、諦めて津軽半島を下る事にします。 途中青函トンネルの入口付近を通過しつつ青森市内へ。朝の通勤の為か、車は結構な量ですが渋滞までにはなりません。駅前ビルの地下にある市場食堂という所で、由はうにやイクラの入った三色丼、私は中落丼と赤魚の塩焼きで、ちょっと早めの昼食です。中落ちが絶品でした。他におやつのコロッケを買ったり、くー用にササミを2本買ったりしつつ、町中でガソリンを給油し一路下北半島へ。 |
25年前、下北半島の横浜のあたりで眠くてたまらなかったのを思い出しながら、尻屋岬へひたすら向かいます。むつ市内は車も多く、ペースがあがらないのに少々焦りながらも、尻屋岬の自動ゲートを抜け、小さな土産物屋があるだけの灯台前に到着しました。 目当ての寒立馬はゲート脇に数頭居たのですが、岬には延々と馬糞だらけで何もありません。青空とさわやかな風は気持ちよいのですが、ちょっとくーと散歩をしてすぐに引き返します。さっき通過したゲート脇に差しかかると、数台の観光者が寒立馬の写真を撮っていました。我々も車を停めてしばし記念撮影。くーは えるかと思ったのですが、平気でした。 先程通った道を我慢の移動後、またむつ市内を経由して恐山へ。25年前はもっと怪しい雰囲気だったと記憶しているのですが、道も綺麗になり車や観光バスも沢山停まっていて、観光地的な雰囲気の方が強く感じられました。 当時テントの中に居たイタコの皆さんも今は建物の中に入っているらしく、くー連れでは会えず残念でした。お参りしたあと、ぐるっと宇曽利湖畔まで散歩して、夕暮れ近づく時間が気になっていたので、早めに引き上げて薬研へ向かいました。今日車中泊する場所を明るいうちに決めておきたかったのです。 |
薬研までの森の中のアップダウンを薄暗くなってきた夕暮れ時に走ります。一気に標高を下げていくと、そこが薬研渓流です。奥薬研の未舗装路になる林道入口手前に奥薬研レストハウスがあるので、おいしいと評判の地元の豚肉を使った豚丼を頼みました。ちょっと早い夕食です。 少し手前にトイレのある駐車場をみつけたのですが、夜も使えるかわからない雰囲気でした。食後実際に確認の為にトイレに入ってみると、関知式の自動照明で思いのほか綺麗なのが判明。でも裏山から熊が出そうだったので、もう少し下った所にある舗装されている広々とした薬研駐車場を、今晩の宿にする事としました。 時間はまだ17時と早く、お風呂にゆっくりつかりたい所です。薬研温泉は混浴露天ばかりで宿泊施設の日帰りは既に受付も終わっていたので、頑張って下風呂温泉まで行く事にしました。 |
もう少しで大間という津軽海峡に面したまさに「最果て」にある、共同温泉浴場、大湯に迷いながら到着。青い湯船に白濁した硫黄泉は熱めで、すごく体が暖まりました。真っ暗な帰り道に漁火の写真をまたスローシャッターで撮影したりしましたが、体は冷えなかったほどです。 先程の薬研駐車場に20時頃に戻り、私達だけしかいない中、寝床を作ってトイレや歯磨きをしたあと、21時にはお休みなさい。ちょっとだけ換気の為に開けた窓から、渓流の流れと虫の音だけが響く夜でした。 |
2008年10月16日(木) |
薬研駐車場の朝は朝もやに包まれていました。時折通勤の為か、薬研温泉方面に向かう車の通過音がするだけで、耳鳴りのように渓流の音がずっと聞こえています。 明るくなっていくうちに頭上に青空が見えてきました。歯磨きをして、バナナと水の朝食を取ったあと、寝床も片づけずとりあえず動ける状態にしてから奥薬研レストハウスへ移動。そこに車を停めて、薬研渓流に沿った遊歩道で朝の散歩開始です。 |
吊り橋を渡るとすぐに昔活躍したという森林鉄道の軌道線路がしっかりと残っていました。渓谷沿いの道で鬱蒼とした森が迫っていますが、案内の看板や柵などがそれなりに整備されているので訪れる人も少なくないようです。下流までしばらく線路の上を歩いていくと吊り橋があり、川上の歩いていくとスタート地点に戻ることができます。 こちら側からは河原まで降りられる場所があるので、くーと川遊びをしました。こちら側からは太陽が紅葉の木々を照らし、黄色いブナや僅かだが真っ赤に染まったモミジが美しく、それは見事でした。渓流を流れる水も澄んでいて、小さい魚が沢山泳いでいました。 |
レストハウスに戻り、誰もいない足湯で暖まったあと、荷物を片づけて南下開始です。 むつ市手前の生マグロが食べられるといういさりびハウスはまだ開いていなかったので、隣のサークルKで軽食や飲み物を補充します。むつ市は通勤時間にあたってしまい混雑していましたが、途中から無料開放されている開通前の下北道を通れるようなので横道に入ってみると、快適に野辺地まで高速移動できました。 東京は上野に続いているR4経由で、R394に入って高原道路に差しかかる手前のダム湖で妻に運転を交替。気持ちのよい高原ラインを運転してもらいます。途中八甲田温泉の隣にある田代平湿原がよさそうなので寄り道です。八甲田温泉の前の駐車場に停め、くーと散策開始。木道も整備され、観光客も数人しかおらず、高い空の下のびのびと散歩を楽しむ事ができました。 |
八甲田山の麓を一周するように回り込みながら大観光地、酸ヶ湯へ。とりあえず満杯の駐車場に何とか入れて、大混雑の食堂の外にある立ち食いのそばで昼食。店員の態度も横柄で、オーダーも聞かず待たされたあげくに、味は最悪でした。今回の旅で一番の失敗です。 酸ヶ湯は既に混浴時間なのでパスし、奥入瀬に入る手前で歴史のある静かな蔦温泉に立ち寄りました。風情のある宿と温泉は観光客の車で埋まっていましたが、湯船は混んでおらず快適でした。高い天井とヒバの香りが気分を落ち着かせてくれます。癖のないお湯は安心して暖まる事ができ長湯してしまいました。男性用に2つの風呂があったので、どちらにも入ったので、私はちょっとのぼせ気味。 風呂あがりにアイスを食べて、紅葉のトンネルの奥入瀬に向かいますが、雨が降り出してきました。頭上に真っ黒な雨雲があるのが見えますが、進行方向には青空が覗いています。情報収集の為にビジターセンターに寄りますが、あまり参考にならず。とりあえず進んでみる事にしました。 車が停められる場所は決まっているようなのですが、「石の戸」というポイントに行ってみます。すると溢れんばかりの車で停める場所はありません。上流に向かうと何とか駐車できるスペースをみつける事ができ、そこに車を停めてパーカを被り、小雨の中くーと散歩です。奥入瀬川は水量も多く豪快で、鬱蒼とした木々の下は薄暗く、らしい渓谷を少しだけですが楽しむ事ができました。 驚いたのは小雨が降る中でも結構な観光客が歩いている事です。レインウェアにトレッキングシューズの人はわかりますが、中にはハイヒールに半袖のブラウスという格好の女性も居て、見事に観光地となっています。 最後に一番上流の観光ポイント、大滝を少し見てから十和田湖へ。辰子の像の手前にある誰もいない広い草っぱらと湖岸で、思いっきりくーと遊びました。 |
山向こうに太陽が落ちる前にまた移動開始し、十和田湖を一望できる懐かしの発荷峠を経由し、豪快な走りが楽しめる樹海ラインを走ります。大きい丸い夕陽がカーブを抜けるごとに見え隠れし、日が落ちる直前に小坂ICから東北道に乗りました。 あとは安代ICまで一気に移動。ICを降りてしばらくは街灯もなく真っ暗の道です。途中ガソリンを給油し、今日と明日お世話になる安比高原のペンション、むっていさんに無事到着しました。 安比高原は私が20年前にスキーにはまっていた頃に開設されたリゾートです。今でもたまに「APPI」というステッカーを貼っている車をみかけますが、雪のない時期は静かな高原のようです。秋は見どころが沢山あるはずなのですが、どうもペンション村はお客さんがほとんどいないようでした。 むっていさんには他県ナンバーが既に2台。あとで聞いた話しですが、他に2組のお客さんが来られるとの事。犬と泊まれる宿というポイントだけでなく、殆どがリピータという事は、それだけ魅力のある宿という事でしょう。オーナーの小柄で落ち着いた旦那さんと、明るい奥さんが迎えてくださいました。 食事前にできて間もない綺麗な露天風呂で体を温め、これまたこれでもかという大量のご馳走の和食に圧倒されました。本来は2日目が和食との事ですが、連泊のお客さんが他にいらっしゃったのと、我が家も連泊なので逆転したとの事です。これが普通の連泊メニューというから恐れいります。 私達が旅で疲れている事を配慮をして頂き、お話を少しだけさせて頂いて食堂をあとにしました。ただ今日中に洗濯をしたいと思って相談させて頂いた所、快く設備を使わせて頂けました。 満腹で くてたまりませんでしたが、何とか洗濯も終え、ゆっくりと眠る事ができました。 |
2008年10月17日(金) |
ぼんやりと出窓が明るくなってから目を醒ました朝。既に7時をまわっていました。8時からの朝食なので、その前にくーを散歩に連れて、昨日教えて頂いた近くの広大な草原へ行ってみます。広いというよりは広大という感じの誰もいない草原で、朝から思いっきり遊べてくーも笑顔です。 何でもここ最近、熊がペンション街にも出るというのでちょっと心配でしたが、遊んでいる時はそんな事はすっかり忘れてしまっていました。ペンション街まで熊がおりてきているのに特に、さも当然のような感じで教えて貰った事に驚きを感じましたが、特に駆除する必要のない野生動物は、本来はそのまま山に帰ってもらう事が一番です。 |
宿に戻って朝食です。朝からボリュームのソーセージとパンのメニューを頂きながら、今日の八幡平観光のルートを教えて頂きました。私達の旅のスタイルを想定した上で、最適なルートを組んでくださっているようです。今回はナビを使わず、書いて頂いた手書きの地図に従って八幡平周辺を観光してみる事にしました。 最初に安比高原牧場にある大きなドッグランに向かいました。部分的に花畑があって綺麗なダリアやコスモスが咲いています。少し奥の方に柵で囲まれたドッグランがあったのですが、我々以外には誰もいない広大な空間なので、ぽつんと区切られたドッグランがとても虚しく見えてしまいました。 |
牧場を出て山の方に向かうと、ブナの二次林がありました。ブナの駅という立派な避難小屋から散策路が伸びているのですが、ここも他に1組の観光客がいるだけです。 二次林というのは森を伐採したあと自然の力で見事に再生した森のことを言うらしいのですが、それは立派な森です。2つのY字に伸びたピストンルートをそれぞれ途中まで歩いてみますが、麓にも出てきているという熊の存在が怖く、たまにくーにコマンドでワンと えさせながら、紅葉も後半に差しかかったブナの落ち葉に敷きつめられた森を3人でゆっくりと歩きました。濃い生まれたての酸素がとっても気持ちがよく、喘息の私の喉が軽いのが心地よいです。 |
一旦車に戻ったあと、登山口への林道を奥まで行ってみましたが、3〜4台の車をみかけました。散策しているのか、何か他に目的があるのかがわかりませんでしたが、それでも圧倒的に訪れる人は少なく、快適です。 次は松川渓谷です。入口にかかる橋は特段何も施設はありませんが、実は紅葉観光スポットとしては知られているらしく大勢の観光客が居ました。皆、橋の上から今がピークと言える紅葉を楽しんでいます。我が家もくーと散歩。妻が橋が高く怖がっていましたが、鮮やかな紅葉の松川渓谷を見下ろして、大はしゃぎしていました。 |
橋の下に降ると、河原から紅葉を眺められる場所があり、そこも賑わっています。くーは川に入って水遊び。足が河原の砂まみれになりながら、嬉しそうです。まったく寒くないようです。 そこからもっと奥に進むと松川温泉があります。ここでお薦めの松川荘で温泉タイム。露天に暖まりながら見る河原の紅葉が見事でした。泉質も白濁した硫黄泉で大好きなものですが、隣に地熱発電所があって、ちょっと異様な雰囲気です。それだけよい温泉が沸きだしているという事なのでしょう。 |
湯上がりで少々休憩。その後樹海ラインをハイペースで走っていくと、どんどんと標高をあげていきます。藤七温泉をすぎ八幡平山頂で主要観光ルート、アスピーテラインを右折。観光バスやら何やらで混雑していますが、御在所方面へゆっくりと下っていきます。 途中出店があったので小休止。きのこ汁ときりたんぽをつまみ、遅いお昼ごはんです。夕食もきっと凄い量だろうと予想していたので、これで充分という事にしました。 その先には松尾鉱山の廃墟となったアパート群のゴーストタウンが眼下に見えます。空は曇っていてちょっと不気味なので遠くから見るだけにしました。ここは廃坑から流出する排水は鉱毒水で、ヒ を含む強酸性の為、下流の北上川に影響を与えてしまう事から、大規模な中和施設が建てられ現在も稼働中との事です。 麓に下りてくるともう日が暮れてきました。安比高原の別荘が立ち並ぶ周辺を車でうろついてみました。色々なログハウスがある中、人が居るのは数件でした。いつか田舎暮らしがしたいとずっと思っている私は、こうして色々なタイプのログハウスを見るだけで楽しいのです。でもこのように人の生活臭が感じられない別荘地は、ちょっと寂しいものです。バブルの片鱗とも言えるのかもしれません。 宿に帰ってからまたお風呂に入り、ゆっくりしました。今晩は洋食のスタンダードなメニュー。巨大なステーキや、岩魚のムニエルなど、これまた大量で満腹。泊まっているお客さんは全員犬関係。ここは食堂に犬を連れて来れるのですが、オーナーがうまく配置を考えていて安心できます。食事中の姿を見回すと、それぞれの飼い主と犬の関係がかいま見れるというのも面白いものでした。 今日はちょっと頭痛が出ているので、早めに就寝する事にします。 ※安比ぬくもりの宿 むってい の体験記はこちら |
2008年10月18日(土) |
今朝は霧に煙るペンション街をぐるっと歩いて散歩。熊とは出会いませんでした。しかし昨日の午後、昨日の朝に散歩した場所の近くにまたも熊が出没したとの事です。ちょっとぞっとしましたが、地元の方は日常の出来事のようでした。 散歩していると、ペンション街ですが他にお客さんが入っている宿は殆どないようです。ひとつだけビジネスホテルのチェーンの宿にマイクロバスと2台ほどの他県ナンバーが停まっていましたが、他は静かなものです。冬になるとやはりそれなりに賑やかになるのでしょう。 朝食後、少しオーナーご夫妻と話をしました。すると今日のルートを時間を配分も考慮した上でまたアドバイスしてくださいました。北海道好きな私達が気に入るというルートと、仙台で牛タンが食べたいと言った事で、お勧めの店の情報も頂きました。 北東北というこれまでめったに足を踏み入れなかったエリアですが、北海道へ犬連れで渡る際に最適なフェリーが八戸から出ている事や、すっかり妻は他の季節の安比にも是非訪れたいと言い出し、またそれほど遠くない先にお世話になりたいと思うのでした。 |
2日間ですがお世話になったお礼を言いながら、名残惜しさを感じつつ安比を離れました。 向かう方向とは逆の北方向に少し戻り、七時雨山に向かいます。ここは田代平高原というエリアで、その中にある七時雨山荘では広々とした草原があり小休止。くーは思いっきり走って楽しみました。 紅葉もこちらではまだもうちょっと前という感じで、今年は紅葉が遅れているという感じです。実際、この北東北の旅の間はずっと暖かく、夜もせいぜい6度位までしか落ちず寒いという感じはありませんでした。てっきり氷点下まで下がると思っていたので、拍子抜けしたほどです。その分紅葉も進んでいないのでしょう。 |
西根ICまで下道を走り、東北道に乗ります。泉ICまで100km刻みで東北道を南下。私はその間、どうも弱い頭痛が消えずベッドで仮眠していました。しかし泉ICを降りた途端、大都会の仙台市内の車の量に妻もあたふた。何とか14時前のランチ時間に牛タンで有名な利休に着いて、ちょっと遅いお昼です。 |
ランチタイムの終了30分前だったのですが、全席埋まっていました。めったに外で焼き肉を食べない妻も、この夏仙台に遠征した際に食べた牛タンが思いのほか気に入り、今度は一番有名なお店で食べようという計画を実現できて満足です。 |
食後はすぐに泉PAのスマートICからまた高速に乗り、白石ICまで高速移動。今日の目的地である遠刈田温泉方面へ。 途中スーパーで水やバナナを買い込み、まずは明日開催されるアジリティ・コンペ会場の蔵王ドッグランドを探しました。ナビでもまったく違う所を指し、民家に入りこむ事2度。ネットで調べなおしたりしながら、色々入り込んでいくとやっと看板を発見。 初めての訪問なので明日の事をちょっと聞いたあと、今日寝る場所を探しにいく事にしました。時間も16時で日が暮れる前によさそうな場所を探さないとなりません。今のうちにと遠刈田温泉の中心にある公共温泉神の湯に入り、落ち着かせました。ここは新しい施設で、泉質も癖のないさっぱりとしたものでした。 湯上がり後、神の湯前にある観光案内所で情報を収集。蔵王へ向かう道の途中まで行ってみますが、真っ暗になってしまい最終的に一番最初に立ち寄った遠刈田公園の駐車場で寝る事にしました。夕方は車の通過する量も多かったのですが、18時をすぎるとすっかり交通量も減って充分に静かです。トイレも電気を点ければ使えるので、ここに決定としました。 コンビニまで行って簡単に夕食のかわりになるものを買って、公園に戻ってテレビを見ながら寛ぎタイムです。 その後はやる事もなくなり、20時頃に寝床をつくり、北東北の旅の最後の夜は、早めの就寝となりました。 |
2008年10月19日(日) |
朝ちょっと冷えたかなと思える気温でしたが、それでも4度程度でした。シュラフが高性能なものを使っているので寒さは感じませんでしたが、暑くて体をだすと今度はそこが寒いという繰り返しで何度か目をさましました。不思議な事に、くーはシュラフに潜り込んで来ず、クレートの中で一晩を過ごしたようでした。 6時頃にバナナで朝食。ゆっくり片づけて、今日は自宅に戻るのでそれなりに片づけをし、蔵王ドッグランドへ移動。8時頃に到着すると、まだ知り合いは来ていませんでしたが、多くのコンペ参加者が集まっていました。挨拶をして、しばらくうろうろしていると、知り合いが到着。ほっとしました。 |
今日は朝から10走を予定。砂のフィールドですが、それほど走りにくくないようです。ハンドラーである妻にとっては、久しぶりのコンペです。練習はずっと続けていましたが、競技会形式の走りはしばらくしておらず、少々緊張気味でした。 |
それでも蓋をあけてみればちゃんと10走を走りきり、楽しかったと笑顔を見せました。くーもやる気マンマンで笑顔がそれを証明しています。私は久しぶりに妻とくーのチームの走りをみて、色々課題はありますが、嬉しく思えました。2人の楽しそうな表情を見るだけで私は満足です。 |
北東北を旅する中で、最後の日にアジリティ・コンペを組み込んだのは、単なる偶然でした。帰り道に丁度蔵王を通る事、知り合いが参加する事、内容が楽しそうな事などがその理由でしたが、移動が多く、くーにとっても最後に思いっきり走る事ができる事から、面白いと思ったのもあります。 |
まる1日走りに走ったあと、日が暮れる直前にフィールドを出ました。途中仙台の名物であるたまご舎のソフトクリーム直営店に立ち寄り、そこで解散。我が家はまた100km刻みでいざ東京へ走ります。 |
20時すぎに蓮田SAの和食レストランで夕食を取り、22時01分に浦和料金所を抜け、その後外環経由で1週間の旅の汚れを落とすべく、洗車場で1週間の泥汚れを落として、23時半に無事自宅へ帰着。 遠くて短い、1週間の秋の北東北の旅が終わりました。 (Travel date : 2008年10月) (2008/12/4掲載) (東京都、Yさん くーたら日記 Hill Breeze) |