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ペンションむっていさんは、最初ホームページで知りました。スキーのメッカである安比高原。 私は20数年前に1度だけそこでスキーをした事がありますが、殆ど記憶は残っていませんでした。 犬と泊まれる宿という事でたびたび目にしていた事もあり、北海道にいつか車で自走して渡る時に、内地での中継宿泊地として利用できるかもしれないという意味で、以前からチェックしていたのでした。 今回は北東北の紅葉と温泉を楽しむ旅の中で、お世話になる事になりました。 奥入瀬を巡ったあとに東北道に乗り、安代IC手前で真っ暗になってしまいましたが、ナビで迷わずに真っ暗な安比高原に入りました。安比高原の象徴でもあった黄色いタワーのものらしき照明が遠くに見えますが、ペンション街にはぽつぽつと明かりが灯る建物があるだけでした。正直な所寂しいという感じでしたが、それでもむっていさんには車も他県ナンバーが数台停まっており、木々に囲まれているせいか明かりこそよく見えませんでしたが、しっかりと玄関には明るい電気が点いていて、私達を迎えてくださいました。 エントランスに入って呼び出しのボタンを押すと、明るい声でオーナーさんの奥さまが出てこられました。丁度夕食の準備で忙しい時間だったはずにもかかわらず、くーを思いっきり撫でてくださり、私達をお部屋まで案内して下さいました。お部屋には岩手の代表とする作家、宮沢賢治の作品名と思われる名前がついています。私たちは「ツェねずみ」という部屋に泊まりました。 |
夕食までちょっと時間があるので、お風呂にどうぞと促され、移動で疲れた体を清潔でピカピカな露天風呂で体をほぐしました。ウッディな作りが素敵です。その後食堂に行くと、既に犬連れのお客さんが他に2組。賑やかな中にもちゃんと各家族を絶妙の間隔で配置し、犬同士のトラブルへの配慮が感じられました。
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連泊のお客さんがおられたそうで、我が家も連泊2日目のメニューだそうでした。 それはそれは驚くべき料理たちが並んでいます。 和食ベースで地元の食材に手を入れ、オードブルのように盛りつけられたお皿が最初に目に飛び込んで来ます。 小鉢の白い大豆と黒い大豆をベースにした2種類の手作り豆腐、湯葉に高野豆腐と野菜の煮物と体にやさしいものばかり。 見事なイワナの塩焼き、野菜やきのこにやわらかい霜降りの地元和牛肉の牛しゃぶ鍋、そしてこれも地元の豚肉を使ったやわらかいヒレカツまで、どんな人も満足できるというよりも、行き過ぎと言えるボリュームですが、味もやさしくダイエットをすっかり忘れたいらげてしまいました。 妻はワインを頂きながら、時折料理の出し下げで顔を出されるオーナーご夫妻は、手をとめて私達と色々な話しをしてくださいました。
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満腹で旅の疲れも少しある私達は、また明日にゆっくりとお話を伺おうと部屋に戻り、旅で溜まった洗濯をさせて頂きました。強烈に
たかったのですが、結局荷物の整理や溜まってしまったメールの処理など、遅くまで部屋でごそごそとしてしまいました。翌朝は8時から朝食との事で、くーを7時すぎに散歩に連れ出し、さわやかな高原のしっとりした空気の中、教えて頂いた歩いてすぐ近くの広大な草原へ。誰もいない野球場が8面以上取れそうな綺麗に整備された広場で、思いっきりくーを走らせます。 ここ数日移動ばかりでストレスも溜まっていたはずのくーに、最後に少しだけディスクを投げてやり、宿にゆっくりと歩きながら戻りました。 また、安比牧場にはドッグランと花壇あります。 |
既に朝食を済ませて出発されるお客さんがおられる中、私達も朝食を頂きます。大きなソーセージにオムレツ、丸い焼きたてのパンで結構なボリュームです。パンのおかわりがいらない程に朝からまた満腹になってしまいました。 食後、今日の周辺観光について色々オーナーにお話を聞きました。奥さんがメインでお客さんの対応をし、たまに旦那さんが横から補足という感じに、仲のよいオーナーご夫婦といった感じです。今丁度見頃の紅葉ポイントや男女別でゆっくり入れる風情のある温泉を紹介して頂きながら、ルーティングはお任せ。 ささっと手書きで地図を書いてくださり、ナビも使わずそのまま周辺観光にでかけましたが、道に迷う事なく、夕方まで八幡平周辺観光を楽しみました。
1日夕方まで遊んで帰ってきて、また露天風呂で体を温めます。今日のお客さんは私達以外に3組の方がいらっしゃるとの事で、最後の方は夜になってから到着とか。色々なお客さんのスタイルにあわせて、丁寧に対応していらっしゃいました。遠くは関西エリアからも、常連さんはおられるようです。 |
今晩のメニューは通常のメニューとおっしゃっていましたが、最初に暖かいスープから始まり、色々な料理が盛りつけられたオードブル、イワナの洋風ガーリックソース、お皿いっぱいの和牛のステーキ、最後にデザートとこれも盛りだくさん。奥さんは「ウチの定食です」とおっしゃっていました。
また面白い話を聞かせて頂きました。地元に帰省するのに犬を連れていては実家に泊まれないという方が常連さんだったり、犬を飼っているにもかかわらず長旅だからという理由で犬を連れてきていない関西の方は、わざわざ犬がいないにもかかわらずむっていさんに泊まりたいと言って来られたりと、地元の人にも、犬連れやそうでないお客さんにも愛されているペンションだという事です。 |
宿泊客には温度差があると思います。でも宿業は犬に限らず宿泊客に対してもそれと同じように、対応を臨機応変に対応し、それぞれのお客さんに満足な宿泊環境と旅の思い出を与えなければ成り立たないと思います。こちらにリピーターが多いという事はまさにそれがなされているという事を証明している訳で、それはオーナーご夫妻の努力のたまものだと思いました。 |
翌朝、名残惜しいのでゆっくりとチェックアウト。北海道好きな私達が楽しめるという七時雨山を教えて頂きました。ちょっと遠回りでしたが、とても気持ちのよいルートでした。
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2泊3日お世話になりましたが、もう少しゆっくりできれば良かったと思える時間でした。ゲレンデスキーはすっかりしなくなってしまった我が家ですが、次回は違う季節に連泊でお世話になりたいと思います。 泊まった日には丁度保護されたワンが。とてもフレンドリーないい子です。飼い主募集中。
(2008年10月16〜17日泊) (2008/11/7掲載) (東京都、Yさん くーたら日記 Hill Breeze) |
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