ペットと泊まれる宿・ステイウィズドッグ

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ペットと泊まれる貸別荘ゆがふ 岐阜・八ヶ岳・伊豆

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北軽井沢 - Restaurant & Stay 花闊歩 (その4)

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北軽井沢 - Restaurant & Stay 花闊歩 (その4)

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北軽井沢 - Restaurant & Stay 花闊歩 (その4)

今回は「花闊歩さんステイで」をテーマに、1泊2日の雪あそび旅を計画しました。先月も雪あそびに行きましたが、実は先に予定をたてたのはこちらの旅でした。宿に泊まる事が目的でありませんが、ベースとなる場所を先に決めて、そこから遊びの計画をたてるという事はよくしている事です。
宿を先に決めたのには理由がありました。それは…
・昨年の東日本大震災当日に宿泊した宿に、あらためて再訪したかった事
・いろいろな宿に泊まりましたが、またこちらの料理を食べたかった事
・自らも含めて宿泊する人に対し、食の安全について考え伝えてくださる事
重要な事は、溢れる情報の中から自分で何が正しいかをしっかり判断し、自分が責任を持って信じる事に対し、取り組んでいく事だと思っています。
一昨年くーの甲状腺に癌が見つかり、治療をどう受けるべきかを考えた時もそうでした。最初の病院ではくーの体力や免疫力では、これ以上の積極的な治療は行えないという診断でした。しかし私たちは可能性を諦める事はできませんでした。私たちは納得のゆく説明をしていただき治療を受けられる病院を自力で探し、今もそこで治療を受けているのも、自分が後悔したくないためです。
しかし残念ながら現在の日本に、100%安心できる食生活や環境はもうなくなってしまったという状況になってしまったとも言えます。そんな中、自分が納得できる食材を出してくださる宿は、残念ながらなかなかないものです。
政府の打ち出した根拠のない基準値を信用し、安全を公言する所も多々ありますが、違いは「自分たちが安心できると判断」できる基準であり、その情報を提供してくださるかどうかです。そう、人生を決めるのは自分自身なのですから。
シビアな話になりましたが、試行錯誤しながらも情報を開示してくださる数少ない宿の花闊歩さんなら、安心して泊まる事ができると私たちなりに判断し、今年もお世話になる事にしたのでした。
花闊歩さんに到着したのは、まだ空が明るい15時半頃です。昨年の3月10日に1泊したのですが、その日よりも雪が少ない気がしました。やはり今回もナビの案内ではたどり着けず、国道からのアプローチで到着しました。
今日は平日、宿泊客は私たちだけだそうです。休日は夏は賑わう人気宿ですが、しっとりと旅気分を味わうにはこの季節が一番好きです。雪に包まれた真っ白の道の先にある建物は、葉を落した木々に包まれ隠れ家のように建っています。
朝から遊んできたスノーシューやカッパを片づけている間、くーには雪のドッグランや駐車場周辺を探索していてもらいました。ふと駐車場を見ると、オーナーの車がワイルドなピックアップトラックに変わっている事に気がつきました。これなら雪が深くでも余裕で走る事ができそうです。荷物がまとまった所でチェックインです。
フロントではオーナーご夫妻が出迎えてくださいました。昨年の東日本大震災の日に泊まった私たちの事を、よく憶えてくださっています。またtwitterでたまに会話もしていたので、1年のブランクは感じませんでした。
オーナーはハーレー乗り。花闊歩さんにはコーギーが3頭もいます。共通の話題は豊富でしたが、今回はそれに加えて環境汚染に関する話題も悲しいかな増えてしまいました。といっても私たちは基本的にくーと一緒の旅をしに来たのです。おいしい料理や、ゆったりした時間を楽しみたいと思います。
昨年に訪れた時よりも、宿の中は少しレイアウトが変わっていました。ハーレーが冬の間、オブジェ兼動態保管されているのは同じですが、レザークラフトの作業スペースがいい感じに置かれています。
部屋の鍵をいただいて中へ。フロント前にはペット用品や掃除用品が常備されています。基本的に自分で持参するものですが、うっかり忘れてしまった時は助かります。
客室は2F、まず食堂を通ります。そこには落ち着きがある立派なバーカウンターがありました。色々なお酒が並んでいます。お酒が好きな方であれば、ゆっくりとくつろぎながら夜を楽しむ事ができるでしょう。その先に階段があります。
階段は段差も低く滑り止めが張られていて、短足の犬でも昇り降りするには難しくないでしょう。あとで聴いた事ですが、もともとあった階段の上にゆるやかな段差を施工されたとの事で、そのために途中ぐるりと方向転換するように距離が伸びてしまったそうです。その分吹き抜けになっている空間を感じながら昇り降りする事ができます。
客室フロアにあがると、明るい半円型の食堂を見下ろす視線になります。廊下の中央にはロビーにあったようにペット用品や掃除用品が一式置かれており、オーナーの気配りを感じました。
そして今回の客室、昨年と同じ中央の204号室に入ります。宿へのアプローチでもあるまっすぐな道が窓の向こう側に伸びているのが見えました。ベッドもテーブルもテレビも必要充分な設備で、清潔に清掃されていました。
少し食事までは時間があるので、途中立ち寄りの温泉に入ってきてはいましたが、明るいうちにもう一度お風呂に入る事にしました。ちょっと残念だったのは、新たにできたワイルドな雰囲気の「隠れ家の湯」が水道凍結のために入れなかった事です。次回のお楽しみにして、今回も展望風呂「昭和レトロの湯」の方に入ります。
まだ明るい時間だったので、窓の向こう側がよく見えました。視界の範囲には民家はありません。貸切でゆっくりと夕日に照らされた雪景色を眺めながら温まります。普段から基本的に同じ事をしているだけなのですが、環境が変わると気持ちが切り替わります。これが旅の良さでもあります。
風呂からあがると、妻はiPadで読書中、くーは雪あそびで疲れたのかうとうとと居眠りをしていました。テレビでは夕方のニュースが流れています。普段と変わらぬ時間が流れていました。
花闊歩さんは館内でWiFiを開放してくださっています。特にS社の電波はこのあたりだと弱く、その分WiFiがあれば充分に使う事ができるので助かります。S社に要望をずっと出しているそうですが、なかなか電波状態は改善されないそうです。
私はカメラやパソコンの充電やメールの対応をしたり、明日の予定を調べたりとごそごそ。今日の雪のコンディションから、明日の行き先によってはスノーシューは不要かもしれないと思いつつ、どこか良さそうな所がないかあらためてリサーチです。ついでに昼食をどこで取って、どの温泉に立ち寄るかなどもついでに確認しました。
それがひといきついたあと、誰もいないロビーにぶらりと降りていきました。オーナーはフロントの奥で食事の用意に忙しそうです。私はハーレーやレザークラフトのスペース、本棚の本を眺めたりしていました。
「ON THE ROAD MAGAZINE」というアメリカンな雰囲気のバイクと車のフリーペーパーが置いてあり、私も好きな内容だったので一通りいただいてしまいました。その中の1冊に、オーナーも紹介されていました。福島から保護してきた中の一人、茶助くんの事が記事になっています。
そんな事をしているうちに、いよいよお楽しみの夕食時間になりました。くーをクレートに入れて、いそいそと食堂へ行きます。オールディーズが流れる空間は私たちだけの貸し切り。奥様が迎えてくださいました。バーカウンターの前のボードに本日のメニューが書かれています。期待でわくわくでした。
まずはオードブルからスタート。その内容は、豚の角煮とパプリカのサラダ仕立てと鶏のテリーヌ。すべてが本格的です。オ−ベルジュを目指した花闊歩、フランス料理の老舗で修行されたとの事ですが、イタリアンや和食も研究されて2度目の宿泊でも飽きさせない料理を出してくださいます。
次に熱々のペパロニとベーコンのピッツァ。これだけでも結構なボリュームです。それをあっと言う間に平らげてしまいました。くーが大好きなチーズの臭いでフンフンと鼻を鳴らしていますが、貰えないのに気づくと後ろを向いて拗ねてしまいました。
そして魚料理。濃厚な魚貝のトマトサフランソースだそうです。アサリに味が染み込んで、これもお皿を舐めんばかりに平らげてしまいました。
料理の合間に奥様と昨年の震災からあとの話、犬の話などをしました。お子さんが2人いて、犬が5頭いる賑やかな花闊歩さんは、やはり奥さんがしっかりと支えているというのが伝わってきます。メインの肉料理は牛ホホ肉の赤ワイン煮込み。さすがにもうおなかは満足モードでしたが、濃厚で柔らかいホホ肉でごはんが進んでしまいます。何とか完食したあとに、フルーツとアイスなどのデザート盛り合わせで〆です。妻は紅茶、私はコーヒーでいただきました。
食後はシェフでもある旦那さんも登場されてお話タイムです。被災地に支援にいき、現場で保護してここの家族の一員となった茶助くんと初対面。保護された時は毛も抜けてしまい、フィラリアに冒されて大変な治療を受けたそうです。近くの動物病院の協力を得て、随分よくなったと聴いて、涙がにじみました。
積極的に支援物資の声かけや、実際に現地への物資運搬や配布なども行ったオーナー。ご両親が福島在住という事もあり、避難された方への支援も積極的に行われたそうです。宿業を続けつつ大変な事だと思います。今でこそ少し平穏な時間は戻ってきたそうですが、見えない敵は依然大きく、どうしていくべきかを模索されている日々だそうです。私たちも人ごとではありません。
その後はもう朝早くから起きて遊びまわってきた事や、おなかがいっぱいな事から睡魔に襲われましたが、あらためて今日最後の排泄にくーと外に出ると、雲の合間から星が1年前の姿と変わらずに瞬いていました。
ぐっすりと寝た翌朝、外をみるとうっすらと車に雪が被っていました。未明に少し降ったようです。
朝食前にくーの排泄をと、しっかりと着込んでクレートを持って外に出ました。ふかふかの新しい雪が足にもやさしいのか、楽しそうに走り回っています。今日の天気予報では曇りとの事でしたが、今はまだ晴れていました。
朝日が差し込む食堂で朝食です。和食と洋食が選べるのですが今回も洋食を頼んでしまいました。あつあつのパンと、1ディッシュの盛り合わせ。飲み物は夜と同じように妻は紅茶、私はコーヒーをいただきました。最後にヨーグルトをちょっとだけ、くーへおすそわけ。
食後にオーナーご夫妻とまた色々な話をしました。昨年はここをチェックアウトして、約5時間後にあの揺れに襲われました。何とか家にたどりつきましたが、その日から日本が一変してしまった事は、紛れもない事実です。
あれからもう1年が経ってしまいましたが、憤りや不安や希望が入り交じって、複雑な気持ちでした。あらためて自分がしっかり勉強し、後悔のないよう納得のゆく人生を送りつつ、家族を守っていかなければと思うのでした。
今回も美味しさや旅の疲れを癒す時間をくださった花闊歩さん。また再訪する事を約束しつつ、オーナーご夫妻に手を振られつつ、離れました。
(2012/2/16泊)
(2012/3/13掲載)
(東京都、Yさん  くーたら日記 Hill Breeze)
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