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[特集]都心から半日の旅、紅葉の御岳山へ

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[特集]都心から半日の旅、紅葉の御岳山へ

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[特集]都心から半日の旅、紅葉の御岳山へ

予定していた秋の長距離旅行。残念ながら8月に発覚した病気の再発で全て白紙になってしまいましたが、オペ後の通院治療が落ち着いてきた今、やっと小旅行にでもという気になってきました。個人的に最も旅行シーズンとしては好きな秋、まずは日帰りで近場に行ってみる事にしました。
行き先は我が家から50km弱離れた御岳山。犬にやさしく、またくーの病気の御祓いもしていただけるとの事で、家族会議で決定です。
夜明け前から起き出して、真っ暗な中出発。狭山湖近くでようやく空が明るくなってきました。青梅の市街地を抜けた先のコンビニで朝飯を購入。奥多摩方面に向かう観光客や、登山の格好をした賑やかな中高年のグループで早朝から賑わっていました。トイレを済ませ、再出発です。
分岐を折れて多摩川を渡り、御岳山への細い坂道を登っていくと、ほどなく御岳登山鉄道の滝本駅に到着しました。まだ始発時間より随分前なので駐車場のゲートも開いていません。前に1台、軽自動車の若いカップルが開門を待っていました。
開くまでの時間はしばらく休憩です。妻は仮眠、私は外で写真を撮ったりチケット売り場周辺のポスターなどをチェックしていました。どうやら最近登山道付近に熊が出ているようです。注意しなければなりません。あとで駅員さんに話を聴いたのですが、どうも小熊のようです。という事は親熊も見えなくても近くにいる可能性はあるという事で、よけいに気をつけないとなりません。北海道なら熊鈴や熊避けのトウガラシスプレーを持参している所ですが、くーがいるのでまあいいでしょう。
私たちが待っているのが気の毒になったのか早めに開門していただき、車を停めて始発まで再度待機です。妻がくーのトイレを済ませている間に私はケーブルカーの往復チケットを購入。人は往復1090円/人、犬は240円/匹でした。記念撮影用の顔出し看板や、駅帽など小物も完璧に揃っており、なかなか昭和ないい感じです。
駅にはみやげものや山用品ブランドのモンベルの小物コーナーなどがあり、本格的な登山客も利用するという雰囲気が感じられます。私たちのように犬連れもいれば、いろいろな利用者がいるようです。
始発に乗り込むと、私たち以外にはおよそ6〜8人。犬連れは進行方向最も後ろに乗車します。座席もあるので最後尾で遠ざかっていく麓を眺めながら登っていきました。乗車時間は約6分。途中下ってくる車両とすれ違う場所があり、最大傾斜25度という坂を登っていくと、都心方面が谷の向こうに望めます。
終点の御岳山駅まではおよそ6分。プラットホームは急な階段となっています。そこを登っていくと駅舎があり、出て右手に行くとちょっとした展望休憩スペースがありました。くーは真っ先にこちらに向かうので仕方なく向かうと、ここから朝のスカイツリーが見えました。都心の方は晴れているようですが、山の方は少し雲が残っているようです。双眼鏡やベンチやテーブルなどもあり、きっと日中は賑わうのでしょう。
混みだす前にとそそくさと参道に向かってUターン。まずは御岳神社方面に向かいますが、結構いろいろと分岐があり、途中には民家や民宿などもあるようです。ビジターセンターは現在工事中のようでした。個人的にはこの手の施設は好きで、一人旅している時はよく立ち寄ってその土地の動植物を勉強するため、まる1日うろうろと過ごしたりしていました。
参道付近は普通に車も停まっており、関係者は普通に生活道路として観光客以外が通れる道もあるようでした。当然といえば当然です。ケーブルカーだけしか交通手段がなければ、とても生活できません。
分岐を一カ所間違えながらも、急坂のアップダウンの道を舗装路を歩き、平安時代からという巨大な神代ケヤキやまだ開店前の商店街を通り、手水舎のある大鳥居まできました。ここには犬専用のひしゃくも用意されて水を飲ませてあげる事ができます。
トイレに立ち寄ったあと随身門を越えて長く続く階段を登り、その途中からいよいよ未舗装の車が通れない幅のトレッキングルートに折れていく事になります。杉が多い森で、ゆるやかに下っていくルートをしばらく行くと、長尾平と七代の滝と大岳山への分岐点に出ました。ここを私たちは大岳山方面へ進んでいきました。
途中左に下っていく細くガレたルートがあり、メインルートから離れて下っていきます。このルートは七代の滝を迂回しつつ天狗岩に至る事ができるようで、犬連れだとこちらの方が安全との事を調べていたからでした。目的はこの先にあるロックガーデンを歩く事です。
20分ちょっと歩いていくと、大きく山のような天狗岩に到着すました。鎖があって昇る事もできるようです。向かって左手には立派なゲートのようなものがあり、ここが何かの入口という雰囲気でした。そう、ここからがロックガーデンの始まりです。森の中にこういう人工的な建造物があるのはちょっと不思議なものです。
森は紅葉はそこそこしているものの、太陽があまり差し込まない場所でもあるせいか、鮮やかな紅葉というよりも落ち葉に埋めつくされたしっとりした感じです。特にロックガーデンはとても幻想的な場所で、小川沿いに苔むした石や木々に包まれた風景が続く湿地帯です。マンガでいえばもののけ姫、ナウシカのような世界という感じでしょうか。とても不思議な空間です。
くーは滑りやすく濡れている飛び石のルートを、ひょいひょいと歩いていくのはいいのですが、喉がかわいたり、単に遊びモードになっているのか、遊歩道を無視して川の中へも平気で入っていきます。ハーネスの予備をもってきていないと悲痛な叫びを妻があげていました。くーはまったく気にせず、楽しそうに歩きまわっています。
ここはちゃんと人が歩くルートに石を整備したのでしょう。人が運ぶにはとても大変なサイズの石が、川を縫うように通っています。しかしロックガーデンという名前の通り、岩場でもあり、巨大な岩盤や崩れている岩などがある事から、靴はしっかりしたトレッキングシューズでないと、足首を挫いてしまう可能性が高いです。私たちはゴアテックスのローカットのトレッキングシューズを履いてきましたが、まあ正直ハイカットは必要ないだろうと思っての事でした。道は整備されていますが、用心に越した事はありません。
ロックガーデン入口からおよそ森と小川をくねくねと歩きまわっていくと、30分ほどで休憩所とトイレスペースが見えてきました。時間は朝9時10分、やっと朝食休憩です。静かで空気もよく、貸切りの贅沢な空間です。コンビニで買ったおにぎりと、ポットに入れた熱いハーブティーというメニューです。
一人追いついてきた方がいたので先に抜いていってもらい、そのあとをゆっくりと再スタート。すぐに巨大な岩が迫る隙間を抜けて、先に進みます。
苔と岩の世界の中をほどなく歩くと、鳥居がある落差10mの綾広の滝へ到着しました。ここは滝行が行われる事もあるらしく、滝壺がちょっとしたスペースがあります。見上げると紅葉した木々が日に当たって輝いていました。
ここからつづら折りの階段で滝の上に抜けるような感じで急激に標高をあげていきます。そしてほどなく休憩所のある分岐に出ました。ここは大岳山方面に向かうトレッキングルートです。そうです、最初にアプローチしたルートの延長上に出たのでした。ここを右に折れて戻っていくと、御岳神社に戻る事ができます。木漏れ日が美しく、紅葉した森をゆっくり楽しみながら近所の散歩の気分で歩きます。本格的な登山の格好をした年配の方と、私たち犬連れがすれ違うのはちょっと変な感覚です。
40分弱のゆるやかなアップダウンの歩きで長尾平の分岐まで戻ってきたので、休憩のつもりで長尾平へ寄ってみる事にしました。立派なヘリポートがあるあたりの紅葉は美しく、しばし日当たりのよい所でくーと休憩。お弁当を食べている方もいました。朝は寒かったのですがすっかり汗をかいてしまい、薄手のダウンジャケットはパッキングして、山シャツだけになって歩きます。
御岳神社の参道に戻り、残りの階段をひたすら登ります。これが一番辛かったかもしれません。すでに時間は11時近く、人混みになっていました。子供もたくさんいて、くーを触ろうと奇声をあげます。これには困りました。犬にとってこういうシュチュエイションでも平気なように学ばせなければならないのはわかっていますが、さすがにいきなり走ってきて手をだされたり奇声をあげてきたら、どんな生きものでも恐怖や嫌悪感を抱いてしまいます。こういう時は抱っこで飼い主が回避します。
立派な御獄神社の境内横の神符授与所で、扱っているたくさんのお守りの中に、犬向けのものも多数ありました。妻に犬形代と病気平癒、健康長寿のお守りを購入。形代にはくーの名前を書き、すでにくーの体には悪い病気がまわってしまっているので体中をなでまわし、悪い所を吸い取ってもらうよう夫婦で願います。丁度妻がこの犬形代を購入しようとしたとき、私たちの横にも同じように犬形代を欲しいと言った方がいらっしゃり、どうも具合が悪くて連れて来られなかったとの事でした。宮司さんは郵送でもお祓いをしますよ、と説明されていました。
その後、本殿と境内の最も裏手にある大口真神社に御神狗が祀られているのでそちらもくーと一緒に家族3人で参拝。願いは欲張らず、私はくーの健康・長寿だけを願いました。今日はそれだけのためにここに来たといっても過言ではありません。
11時をまわり、御獄神社をあとにしました。商店街を抜け、ケーブルカー乗り場まで向かうまで大勢の人とすれ違うだけでなく、これから私たちと同じように帰ろうという人も結構いるようです。私たちのようなハイペースで歩いたとはみなさん思えない人たちなので、きっと上まであがってきて、神社を参拝しただけで帰られる方なのでしょう。
ケーブルカーの下りは1時間に2〜3便なので、15分ほど待たされました。それでも乗車した人数は20人ちょっと。まだたいした人数ではありません。私たちはペット席であるもっとも後ろに乗りましたが、行きの黄色い車両の日出号と違って、この青い車両の青空号は席はありませんでした。階段に腰掛けてゆっくりと進行方向である谷を見下ろしながらゆっくり下っていきます。
途中すれ違った登りの車両をみてみると、ラッシュ電車のように人がぎっしりでした。帰りが大変そうです。私たち、というか私はいつも行動は朝がけ。犬連れは特に朝早く人が少ない時間が最も安全でかつお互いにストレスも少なく、楽しめるから好きです。朝の弱い妻も今日はがんばって早起きしたのですが、その甲斐を充分に感じてくれました。
駐車場に戻り、昼食を食べようと山を離れました。時間はちょうど12時。およそ5時間強の滞在でした。登って来る車もまだまだあり、この時期暗くなる時間も早いので、殆どが神社往復でしょう。それもまたいいかもしれません。
青梅の町中のうどん屋で昼飯を取り、入間のコストコまで立ち寄って久しぶりに買い物をするなど盛りだくさんの内容で帰宅したのは15時。片道約50kmのちょっと長い山と森の散歩を楽しむには、絶好の場所でした。真冬に来てもいいかもしれません。でも私としてはやはり今の季節が一番好きです。
犬にやさしい御岳山。訪れる人のマナーも大事なのも確かです。もともとは狼を祀った御獄神社。犬を敬い、大事にしてくれるというのは、犬を家族として大事にしている人にとって、とても大事な場所です。参拝する人も気を配りたいものです。そして何よりも、この参拝でくーの病気もよくなってくれますように…
参考情報
御岳登山鉄道
武蔵御嶽神社
御岳山マップ
(Travel date : 2012年11月)
(2012/12/22掲載)
(東京都、Yさん  くーたら日記 Hill Breeze)

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