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犬連れ冬の北海道はこれで2度目。人だけの旅行では何度もこの時期に来ているのですが、前回流氷が去ったあとで見る事ができませんでした。今回こそ流氷の上にくーを載せて記念撮影をと、リベンジです。
また道東ばかりではなく、冬の美瑛・富良野での美しい風景の中で、くーを遊ばせたいと思う気持ちに加え、一度行ってみたかった旭山動物園にも寄ろうと、網走1泊、美瑛2泊という予定をたててみました。
今回の往復の航空券は全てマイレージで賄い、人間の交通費はかかっていません。おまけにワンランク上のClass Jです。できればくーもアップグレードをしてやりたかったのですが、その分思いっきり広い雪原で遊んで貰おうと思います。
2007年3月2日(金) - 1日目
早朝、ETC割引時間帯の首都高で、羽田空港手前のランプで降り、民間駐車場に車を入れました。初めて利用する所ですが、犬連れについては事前にメールで確認をしてあります。送迎バスの出入口の近くにくーが入ったクレートを置かせて頂き、くーが私達を確認できる所に座ります。
過去使った駐車場より空港まで近い所なのですが、羽田空港のターミナルが第1と第2別れた事もあり、私達が利用する航空会社の、その北海道方面は一番最後の停車場でした。
ターミナル前は別に連休でもない週末の金曜日なのですが、多くの旅行者でにぎやかです。今回は事前に発券していたので、自動チェックイン機で手続きをし、人の荷物を先に預け、くーの料金だけ先に支払います。そしてくーを実際に預けるのは、出発時刻の35分前まで待ってから。できるだけ離れている時間を短くしようと心がけました。
混雑の為、プラス20分ほど搭乗時刻が遅れ、おまけにテイクオフまで、朝の滑走路渋滞の為、トータルで30分以上長く待つ事になってしまいました。人は我慢できますが、くーにはできるだけ我慢する時間を短くしたいと思っていたので、いらいらします。女満別空港に到着し、くーに再会するまでには合計2時間半を越えてしまいました。
いつものように私だけ荷物を担いでターミナル前のレンタカー事務所に歩いて向かいます。妻にはくーを少しでも早くストレスから開放して貰う為、氷点下3度程度の日差しが暖かい空港敷地内を、さっそく散歩して貰いました。
手続きを終え、小型ですが4WDでスタッドレス装備の車を借り、ターミナル前で妻とくーを拾い、冬の北海道へ走り出しました。いつもそうですが、借りた車の癖に慣れるまで、色々と挙動を試してみます。今回の車はスタート時の繋がりが悪い感じな上、ブレーキの効きも強かったので、右足の裏を神経質にさせなければなりませんでした。ただABSもついているようで、ちょっとラッキーでした。
今回もくーとの旅行という事もあり、車のシートや宿の事も考え、大きめの敷物を持ってきました。今回リアシートを畳み、椅子は前の2つだけにして、後ろには2m四方のネオプレーンの敷物を敷いて、その上にクレートを置きました。これで毛がつくのは相当防げます。
まず我慢してくれたくーに思いっきり楽しんで貰おうと、昨年の3月同様、誰もいない女満別の朝日ヶ丘公園へ向かいました。くーは飛行機で怖い思いをしたあとは、楽しい場所に行くという事を少しでも伝わればと思いつつ、しばらく遊ばせました。ただ年に1往復程度であれば、なかなか憶えてくれないというのが現実かもしれません。
朝日ヶ丘公園
お昼近くになってきたので、網走市内に移動。いきつけの鮨屋へ。駐車場に日陰があったのでそこに車を停め、くーにはしばし運動したあとの休憩をして貰いつつ、飼い主はおいしいものを堪能させて貰います。
満腹になり、今日の宿は網走市内に決まっているので、流氷を探しに知床まで足を伸ばそうかという事になりました。ただ昨年と同じく、ここ何日かは流氷は離れてしまい、ちょっと期待薄です。沖の方には少し群れがあるようなので、流氷観光船オーロラ号は動いているのかもしれないと思い、情報収集の為にまずは網走港へ。
流氷観光船オーロラ号
湾内には氷が結構あるのですが、オホーツク海は青々と開いていました。ただオーロラ号は運行しているらしく、やはり沖にいけば流氷は見られるようでした。とりあえずウトロの方には少し接岸しているかもしれないので、知床方面へ移動開始です。
しかし程なくして海岸に流氷の残りがあるのを確認。浜に降りられる所を探しました。有名な北浜駅は、線路の向こう側に行けなくなっていたのでパス。小清水原生花園のあたりも眺望が悪く浜と離れているのでパス。結局いつもと同じ、私が15年ほど前に数日流氷脇でテント生活をした、浜小清水前浜キャンプ場へ。
するとありました、流氷。結構それっぽい感じで残っています。また巨大な氷が浜に打ち上げられていて、念願のくーと一緒に流氷に乗るという課題も、ここで成就する事ができました。
足元はさすがにわるいので、くーが怪我をしないか心配になりつつも、本人はおかまいなしに歩き廻ります。流氷の海に間違って落ちないよう、しっかりと見張りました。危険な所に向かう時は、しっかりと呼び戻し、飼い主はしばらく風で耳が痛くなりながら、流氷と遊びました。これで今回の旅のひとつ大きな目標が達成でき、私もほっとしたのでした。
めったに昇らないのですが、脇にあるフレトイの展望台にも昇ってみました。坂が凍っていて人は怖いのですが、くーはひょいひょいと昇っていきます。
浜小清水前浜キャンプ場
道の駅で用を足し、時間は15時半。日が暮れるのは早いと思いつつも、甘いものが食べたいと言うので、これまた定番の川湯のくりーむ童話へ。わざわざジェラートを食べる為だけに、野上峠を越えます。
峠付近以外は殆ど路面はドライでしたが、部分的に凍っているので気をつけて走ります。くりーむ童話の駐車場は雪で吹きだまっている所が多く、しっかりと冬を感じさせてくれました。目の前に見える硫黄山の煙を眺めながら、アイスを食べました。くーにもほんのちょっとだけお裾分けです。
くりーむ童話
網走市内に戻る最短ルートは、藻琴峠越えです。驚く事に、峠付近から見る屈斜路湖は湖面がうねっているのが見えました。この時期で凍っていないのです。例年なら湖上を歩けたり、御神渡ができているのですが、なんとも信じられない事です。深刻な地球温暖化を初めて感じ、恐怖感を感じたほどです。
屈斜路湖
今日の宿は風呂は小さいはずなので、温泉に入っていこうという事を考えていました。川湯にはよい温泉が沢山あるのですが、ルート上にも数カ所あるようなので、初めての温泉に寄りました。それはオホーツク温泉翁荘という一軒宿でした。400円/人で、外見から想像がつかない程ひなびた湯船です。茶色く濁った鉄分を含むナトリウム系の泉質でぬるめですが、しっかりと暖まりました。
オホーツク温泉翁荘
温泉を出ると太陽が沈む所です。またくーに少し散歩させて、市内へ。すぐに真っ暗になり、今日の宿である網走駅近くのリーズナブルな民宿へ向かいました。地図で把握していたルートとナビが違うコースを取ったので手間取りましたが、無事到着。まずはチェックインをし、部屋に荷物を置かせて貰い、車で夕食にでかけました。
市内で目処をつけていた洒落たダイニングには残念ながら駐車場がなく、入る事ができずに何件か探し回る事になってしまいました。結局お昼に寄ったいきつけの鮨屋へまた行く事に。ただ鮨は控えめにして、一品料理を中心に頼み、これまた豪華な夕食となりました。
宿に戻る前に運動場のある大きな公園で、真っ暗な中くーを排泄させつつ、宿に戻りました。
今回選んだ宿は、懐かしい感じのする民宿で、オーソドックスな構 です。おじさんが一人で切り盛りしているらしく、壁には旅人からの写真やはがきが所狭しと貼られています。通されていた2階の角部屋は中でも比較的広いようで8畳ありました。置いてあった石油ファンヒーターに火を入れましたが、そんなに寒くありません。2階だから暖かい空気が溜まっているのかもしれません。
窓は2重サッシ。夜は冷え込むかなとちょっと覚悟をしつつ、シーツを頂きにいくと、くー用にと毛布を11枚持ってきて下さいました。お礼を言い、持参のネオプレーンの敷物と、クレートの間に敷かせて頂きます。
民宿ランプ
妻は夕食時に日本酒を飲んでいたので、ほろ酔い気分で布団で寝息をたてていました。私はこの民宿は無線LANも使えるので、天気予報や道路状況、簡単な旅メモを書いたりして、私も23時前には就寝。くーはそれまでは居場所を探していましたが、その頃には自分のクレートの中に入って寝ていました。
2007年3月3日(土) - 2日目
寒さで目がさめる事もなく、外が明るくなってから起き出します。ただ久しぶりの重い和式の布団と、蕎麦殼の枕だったので、ちょっと首から肩がこってしまいました。
くーは私が起き出すとのそのそのと近くに寄ってきて、まだ眠そうな顔をしています。テレビで天気予報をみると、今日はあまりよくないようで、場合によっては雨も降るらしく、暖冬さをますます感じさせてくれます。
昨日くりーむ童話に向かう途中、川湯のちゅっぷという喫茶店で買ったパンと、階下から借りてきた湯飲みでコーヒーと紅茶を入れ朝食。くーを近所の散歩に連れていって貰っている間に、私は片づけて荷物を車に積載。簡単に掃除をさせていただいて、宿主さんに挨拶をして出発です。
カントリーキッチンちゅっぷ
今日は美瑛までの移動がメインなのですが、妻のリクエストで別の流氷を探しにまずは能取湖方面へ。
国道を走っていると、道路脇で巨大なオジロワシが何かを捕食の最中でした。車が通過するたびに風圧で3m近くある翼を広げ、バランスをとりながら一生懸命何かの肉を食べていました。きっと跳ねられたエゾシカのものでしょう。
途中結氷した能取湖のまん中の方で、人がワカサギ釣りをしている姿が見えたので、私達も少し湖上を散歩する事にしました。駐車スペースはでこぼこの強烈に滑る氷が張っていて危険でしたが、なんとか転ばずに湖上まで足を踏み入れます。多くの人がワカサギ釣りの為に、結構先の方まで行っているのが見えました。邪魔にならないように岸に近い所で遊びました。
能取湖
200mほど先にオレンジのクチバシと肩のあたりに白い所がある巨大な2匹の鳥がいるのが見えます。オオワシのようです。まだ相当に遠いので大丈夫だとは思いつつも、気をつけながらくーを遊ばせました。
そして能取湖の北側の砂州の岬の先まで行こうと思いましたが、あとちょっとで通行止めでした。国道を離れると、路面は真っ白です。沖合には流氷の帯が何本か見え、期待して常呂漁港に入り込みましたが、なかなかよい場所がなく、また流氷も殆どないので適当な時間で折り返し、移動開始です。
北見の町中に入るとそれなりに交通量が多く、ペースは落ちましたが、その筋では有名な回転鮨のトリトン本店にはお昼ちょっと前に到着できました。私は4回目位の来訪ですが、妻は初めて。網走の行きつけの鮨屋に次ぐクオリティとお手頃な値段で、満足でした。
回転鮨トリトン
私達は回転鮨にこだわっている訳ではありません。高いお金を払って美味しいものを食べるのは誰だってお金さえあればできる訳で、いかに手頃な値段で美味しいものを食べられるかが一番の理由なのです。昨日のお昼、夜、そして今日のお昼と、鮨屋ばかりですが、なぜか飽きないのです。普段めったに食べられないというのも理由かもしれません。
市内のオートバックスで助手席の妻が後ろに乗せたくーを振り向かなくても見れるよう、吸盤付のミラーを買ったり、昨日落としてしまった帽子や手袋を買ったりしつつ、これから山を越えるのでセルフのガソリンで満タンにしました。夏場はよくバイクで使っているR333に合流するように、留辺蘂方面へ。
R333は平行して旭川紋別道という高規格幹線道路が使えます。まだ全てが開通していないのですが、完成している区間は無料で走れるという嬉しい自動車専用道路です。これができた事で、トラッカーが多く、追い抜きや煽られる事が多い石北峠や北見峠を越える事なく、道東と旭川方面を結んでくれるのです。
旭川紋別道
丸瀬布IC〜旧白滝IC、白滝IC〜浮島IC、そして一番驚いたのは上川天幕ICから愛別ICまで。ここの区間だけ初めて通ったのですが、開通していて一気に移動ができてしまい、驚いてしまいました。遠軽周辺から降雪があったのですが、その間助手席で っている妻を起こさずに、よいペースで移動できました。
当麻周辺でなんとまだ15時すぎだった為、まださすがに夕食には早い事から、石狩川の土手へちょっと寄り道し、適当な所を見つけて、河川敷で退屈していたくーを遊ばせました。いつでもどこでも広場や雪があれば、くーは嬉しそうに走り回ってくれます。
それでもまだ早いので、ものすごく久しぶりに秀岳荘へ。町の反対側まで移動しなければならなかったのですが、ちょっと興味があったワカン(和カンジキ)も売っていました。でもちょっと高すぎるのと、自分で作れそうなので、我慢です。やはり冬なら荷物が多くなってもマイ・スノーシューを持ってくれば良かったと後悔したのでした。
秀岳荘
暗くなった頃、東京では食べられない旭川ラーメンの有名店、橙ヤ系列の正月ヤで夕食です。地元のガイドブックを買おうと本屋に立ち寄ったりしながら、真っ暗で雨が降る中、宿のある北美瑛郊外へ向かいました。途中、山の中にある「森のゆ」という巨大なホテル兼日帰り温泉に寄って移動の疲れを癒しますが、カルキ臭が強く泉質は満足できませんでした。露天は気持ち良かったのですが、いらぬ電飾があったりと、微妙な気分でした。
正月ヤ
森のゆ
ナビは一旦旭川方面に戻る指示をしていたのですが、持参のツーリングマップルで見ると冬でも抜けられそうな道があったので、ナビを無視して真っ暗の山道を抜け、今日明日の宿泊地へ。無事到着できました。所要はナビの案内時間の1/10でした。ナビは適度に使うのが良さそうです。
お世話になるのは貸別荘型の一戸建て。リーズナブルな値段で、自炊製品も揃っています。といっても自炊するつもりはなく、美味しいものを外食できるなら、逆に 泊まりを選ぶという考えが私達です。また犬連れも許可されているので、とても助かりました。
周囲には民家もなく、オーナーのアトリエ兼喫茶室がある洒落た建物が横に建っているだけでとても静かです。真っ暗で分からないのですが、目の前には貯水地があるようです。お世話になる建物は、実際にオーナーのご両親が住まれていたもので、これを1泊単位で賃貸してくださるようでした。ストーブも風呂もしっかりしたものがあって、言い様によっては別荘がわりに使える気分で、なかなか快適です。
絵織の丘工芸館
とても快適な空間で、事実我が家よりも広く、一戸建てという事で隣の客室への気兼ねもなく、リラックスできる空間で、今までにないほど快適でした。まずはくーの居場所を作ってやり、そそうのないように細心の注意を配ります。
寝る前に外でくーの軽い散歩をして、ソファでテレビを見たり、明日の食事する場所や撮影スポット、温泉巡りなどの計画を練って就寝しました。
2007年3月4日(日) - 3日目
朝はさすがに冷えました。オーナーからストーブは夜や外出時は微小にしてつけっぱなしにしていいと言われていたのですが、暑がりな私達は、完全に消して寝たのでした。とはいっても寒さで目がさめたりする事もなく、枕の高さも悪くなく、快適な夜でした。
私が最初に起きてストーブをつけると、くーは早速昨日の疲れもみせずに、遊びに行きたくてウズウズ。妻もほどなく目を醒まし、早速外を散歩させました。敷地内の雪だまりを元気よく走り回り、ひとしきりあばれたあと、飼い主の朝食時間です。
お茶を沸かし、昨日買ってあったパンとスープを、広々としたリビングで頂きます。もともと家具なんかも最低限しかない事もあり、それでなくても実数値で我が家より広い為、ちょっと羨ましさを感じながら朝の時間を楽しみました。
今晩もここに連泊なので、荷物は殆どそのまま。カメラやらくーのクレートやら必要なものだけを積み込んで出発。まずは美瑛の木めぐりです。冬の美瑛・富良野は初めてなので、有名所は抑えないとと思いつつ、出発。
ケンとメリーの木から始まりセブンスターの木、マイルドセブンの丘、親子の木など、モデルであるくーを各ポイントで撮影。脇道は除雪されていない所が多い為、観光地巡りではカーナビもあまり役にたたないようです。通行に邪魔にならない所に車を停め、場所によっては車からしばらく歩いて、撮影ポイントへ入る事もしばしば。冬だからできる所も沢山あります。また地元の犬連れも散歩コースになっているのか、何カ所で足跡をみかけました。
美瑛観光
夏はどこに行っても人だらけなこのエリア、おまけに今日は日曜なので、冬もそれなりに観光客数を見越していたのですが、実際は殆ど観光客と遇う事はありませんでした。すっかり貸し切り気分で写真撮影を楽しむ事ができました。
途中パン工房小麦畑という店で明日の朝食用のパンを買い、一旦美瑛の駅前へ。観光情報センターというものにも初めて入りました。当然、誰も観光客はおらず、係員だけのがらんとした室内です。維持費が気になってしまう程でした。
パン工房小麦畑
美瑛観光情報センター
私自身は人混みが何よりも苦手なので、観光地もできるだけ避けてしまう性格です。美瑛・富良野は行ったことがない人でさえ地名は知っているという、超一級の観光地でもあります。私はあまり乗り気ではありませんでしたが、妻のいつも道東ばかりでは、という言葉から今回のルートを考えた訳ですが、来てみればなかなか。あれもこれもと、したい事、行きたい所が頭に浮かんできます。
昼を過ぎてしまったので、どこかと考えた末に、海産物三昧が続いた事もあって、富良野産の野菜を使った洋食屋、「木のいいなかま」で食事。妻はオムライス、私はきたあかりなどの地元産のじゃがいもを使ったグラタン。その間、くーは駐車場の車の中で待機です。ここでも私達の他に客は2組だけ。本当に冬の観光シーズンの日曜なのでしょうか。
木のいいなかま
哲学の木をまわり、拓真館へ。私は何度も来ているので、妻は中をみてくると言い、私はこれからの予定変更の対応で車の中でカーナビ設定やら何やらをしていました。運良く天候が回復してきたので、時間はまだ早いのですが、絶景の温泉へ向かいました。
拓真館
美瑛側から望岳台方面は、白金温泉のあたりで冬期閉鎖になっています。その為、私達は一旦上富良野に出て、山を目指しました。この先は行き止まりのはずなのに、多くの車が山を降りて来ます。中でも驚いたのはバイクが2台降りてきた事でした。まだまだツーリストスピリッツを持った旅人が居る事にちょっと嬉しく思ったりしていました。白銀荘前では毎年のようにこのシーズン、旅の友人がテントを張り、山スキーを楽しんでいた事もあったので、知り合いだったかもしれません。
白銀荘前キャンプ場
標高1280mの凌雲閣に到着すると、目の前に壮大な十勝岳や真っ白な山並みが、まるで以前夫婦で何度か訪れたネパールでのアンナプルナ山系のような風景で、その雪煙や霧が生き物のようにうごめく風景にゾクっとします。しかしあっという間に雲に隠れてしまいました。
凌雲閣
中に入ると冬季割引で600円でした。お金を払い、いざ絶景の露天へ。露天風呂の湯船からの大パノラマ、十勝岳や美瑛岳は、残念ながら雲に包まれていましたが、30分ほど湯船を出たり入ったりして待っていると、すーっと真っ白な稜線が雲の中から現れました。 晴らしい風景です。温泉にもしっかり暖まり、寒いはずなのに汗ばむ程、身体はポカポカ。普段はこんなに長風呂をしない私ですが、ここで湯船に入りながら山を見られないのはさすがに残念すぎます。
私以上に妻は長風呂でした。凌雲閣を出て一旦車に戻り、さっきよりももっと雲が切れてたので、カメラを持ち出し山々の風景を撮影していると、右下の方から妻の声が。どうやら露天で他のお客さんから日本酒を貰い、雪見酒で楽しんでいるようでした。しばらく山を眺めて楽しみ、出てきた妻と共にくーも外に出して散歩です。
丁度観光で来ていた富良野在住のJRT連れの人や、山荘のゴールデンのゴンタ君やミックスの子などとも戯れ、こんな所で犬連れ率が高かったのは、ちょっと予想外でした。
駐車場脇で雪の横に穴をあけて堀り、かまくらのようにして中で過ごせるようになっています。山荘の方から声をかけられ、中に入ってみると、相当に奥が深いようです。部屋が3つに別れていて、中にはガソリンストーブなど生活用品もあり、楽しそうな空間でした。
身体も暖まり、妻がみたことがないというので、北の国からで宮沢りえが入った吹上の湯や、白金の温泉保養センターも見学。その後、麓に降りて、夕食の為に富良野の町中へ向かいました。
吹上の湯
白金温泉保養センター
中富良野をすぎた頃に陽が落ち、薄暗くなった富良野駅前で情報収集をしました。ワッフルの美味しい店があるようで、まずはそこに立ち寄り夜のお茶菓子を購入。その後今日はまた贅沢にもフレンチのコース料理でもと、カーナビに従って移動したのですが、随分探しても見つからず、諦める事になってしまいました。その後、結局これも妻が未経験という理由で、カレーとソーセージが有名な駅前近くの唯我独尊へ。
唯我独尊
建物は昔と変わってなく、古ぼけた山小屋の雰囲気です。壁には旅行者の定期券やら速度違反の青キップなども貼られていて、私たちの青春時代のままという感じです。冬だけというカレードリアを頼んだのですが、これがなかなかおいしく、妻はオムカレーを頼み、これもなかなかおいしかったと満足の夕食となりました。北海道ではスープカレーやオムカレーが人気になっているようでした。
R38をハイペースで美瑛まで戻り、美瑛にある安いセルフで給油しました。流石にこの季節の夜に、セルフは寒く、温泉の効果はすっかり消えていました。宿に戻って、冷えた身体もあって、折角だからと風呂を入れて身体をゆっくりと暖めなおしました。
モダ石油
明日は早くも、もう帰られなければなりません。天気は大荒れという予報もあって、飛行機の心配をしながら、明日の予定にあわせて用意をし、就寝です。
2007年3月5日(月) - 4日目
北海道最後の朝。快適なこの宿とお別れしなくてはならないので、ゆっくりお茶を飲み、朝食を取ったあと、布団の片づけや簡単な掃除をしました。犬可の宿が後日、犬禁にならないようにと、泊まる1人1人が自分に甘える事なく気を配らなければなりません。その位は義務といってもいいと思っています。できるだけの事をして、使った食器を洗って片づけて、お礼をオーナーに言い、チェックアウトです。
ふとくーの足から血が出ていたのに気付きました。肉球の一カ所があれていて、そこから血がにじんでいました。今日の運動は控える事に決定です。本人は痛みとかを一切感じていないようなのですが、トイレなどはしてもらわないと困るので、まず広い場所でくーを遊ばせようとぜるぶの丘へ。荒れ模様の天気で誰もいない中、ゆっくり場内を散歩しました。
ぜるぶの丘
今回目的のひとつになってしまった旭山動物園へ向かいます。妻がとても楽しみにしていたのです。開園時間20分後位に到着しました。途中みぞれが降っていて、主要な道路はシャーベッド状ではなく、しっとりと濡れていました。
旭山動物園
まだ開園して間もないのですが、旭山動物園の駐車場は結構な車です。正面の無料駐車場に停めて、くーは車内で休憩時間。飼い主は早速園内へ。するといきなり別世界で、これまでにみた事のないほどの人で賑わっていました。この動物園の人気度は、この敷地内の人口密度をみれば圧倒的に感じる事ができるようです。
半数は台湾や香港あたりからの旅行者で、強烈な集団パワーで圧倒されました。私たちも海外に旅行するのは大好きなので、楽しんで貰えるのはいいのですが、その国の文化や生活習慣に対してはやはり敏感になるべきだと思ってしまいます。日本人も高度成長期に海外ツアーでは同じ事をしてきた事でしょう。特にツアーになると集団心理も働いて、どんどん自己中心的な言動になっていきます。禁止されているストロボをたきまくり、水槽を叩く人々にはうんざりさせられてしまいました。ただ全てが外国人ではなかったので、結局人の中身の問題でもあるようですが。
噂通り、ペンギンやアザラシ、白くまの施設は素晴らしくよくできていて、楽しむ事ができました。ただ運悪く、11時だと思っていたペンギンの園内散歩は、なんと今日から午後に1回だけになってしまっていて見る事ができませんでした。数日前に決まったらしいく、妻はがっかり。これだけ暖かく、雪が少ないので仕方ないのでしょう。
ひと通り園内を見て、13時近くになってから退場。予定していたラーメン屋に向かうと休みでした。
仕方ないので近場という事もあり、行くつもりがなかった観光地、旭川ラーメン村へ行きました。チェーン店ばかりですが、他に食べたいと思える店がなかったので、結局山頭火へ入ります。
旭川ラーメン村
妻は初めての山頭火。豚トロラーメンの塩を頼みました。以前私は美瑛店で食べた事があるのですが、豚トロで満腹になってしまいました。とてもじゃないですが、ラーメン屋をはしごする気持ちは消えてしまいました。それでもなかなかおいしくて満足できました。
山頭火
敷地内に色々な店があって、フィッシュランドというキャンパーにとっては面白いものが手に入る釣具屋に立ち寄りました。案の定キャンプ用品などもなかなか面白いものがあり、妻はオヤツ入れになるケースを2つ購入。時期的にもっぱらワカサギ釣り用品が多かったようです。
フィッシュランド
帰路のフライト時間までまだ少しあるので、旭川市内にはくーを遊ばせる場所もないと思い、性懲りもなく美瑛へ戻ります。そしてケーキがおいしそうなパン屋兼カフェ、「あうるのぱいん」でお茶しようと行きますが、残念ながらお休み。近くの「ブラン・ルージュ」という店へ行くと、吹雪のような天気の中、何とかやっているようでケーキセットでひと休憩。他にお客さんはいませんでした。窓の外を眺めていると、天気はますます大荒れになってきているようです。くーを最後にちょっとだけトイレの為に外に出し、早めに空港へ向かう事にしました。
ブラン・ルージュ
空港で車を返して、カウンターでチェックインを済ませた後、搭乗30分前にくーを預けるまでの間、交替でお土産の買物をしました。空港内のアナウンスも半分以上が北京語で、すぐ横にある国際線のゲート周辺には、入れ代わりたちかわり中国系ツアー客でごった返しています。雪が殆どない台湾や香港の人々は、やはり1度は観てみたいのでしょう。人気のほどがわかります。
最後にちょっとだけ外へ出て、くーに散歩をさせました。あっという間だった楽しい北海道での時間の終わりに、今度はこれから2時間半ほど、くーにとってあまり嬉しくない時間がやってきます。我慢して貰う為に、少しでも気分をリフレッシュしてもらわないとなりません。
愛想のない手荷物預所の年配の男性と若い女性に預けると、こちらの心配をよそに、無言です。無表情にくーを持ち上げて端に追いやられてしまいます。飼い主がどういう気持ちで預けているのかをまったく判ってくれない係員は初めてでした。このような言動ひとつひとつが、航空会社の企業イメージを悪化させているのを分かっていないのでしょう。
探知機ゲートをくぐる直前に、20分の出発遅延といきなりアナウンス。くーの苦悩の時間は20分増えてしまいました。搭乗口前は人ごみでどこにも座る所がない状況ですが、自分の事よりも気になるのはやはりくーの事ばかりです。結局定刻の30分遅れで離陸。空の上でも何度か大きく揺れ、その都度心配はピークに。着陸時も混雑の為、上空での待機命令が出たようで、そこでも20分追加。結局3時間以上もかかってしまったあとに、くーとの再会になりました。
くーの引き取りをする所で、行きに受付カウンターでくーを預けた若い女性地上スタッフに偶然再会しました。ちょっと話が通じない変わった子だと思っていたのですが、雑談をすると彼女もダックスを飼っていて、今日も連れてきていると言っていました。また機内で話をした客室乗務員のチーフの方も、自分のミスではないにもかかわらず、家族として犬を乗せている客に対して、運輸サービス業としての会社がフォローしきれていない事に心を痛めているようでした。
飛行機を飛ばす為には、大勢の人の仕事があるでしょう。殆どの人が、一生懸命その仕事を全うしようとしているはずですが、しかし一握りでもそうでない人が居るだけで、全てのイメージダウンに繋がります。利用客はサービスを受ける為にお金を払い、正当な運輸「サービス」を受ける権利を受けられるはずです。それは犬にだって、同じようにあるはずなのですが。
民間駐車場の送迎バスに乗ると、外は前がよく見えないほどの土砂降り。駐車場は屋根がある所なので、着いてから少し歩いて落ち着いて貰い、その間に私が無事にロッキーを引き取る事ができました。
ワイパーが効かないほどの雨と風の中、レインボーブリッジが突風で閉鎖されている情報を知り、急遽平和島から首都高速に乗る事にして、視界もままならない状況の中、自宅まで一気に走りました。
あっという間の3泊4日の旅行でしたが、妻はまた富良野・美瑛を冬に行きたいと言っています。私も冬でも道東以外の旅もよいものだと思えました。ただ、くーがもっと気軽にかつ安全に飛行機に乗れるような時代に早くなってほしいと思うばかりです。
今回の旅行は、何度も訪れている道東を離れた事で、旅気分も盛り上がりました。ただ、スノーシューで雪の森をトレッキングができなかった事がちょっと残念です。次回冬に訪れる時には、少々かさばってもスノーシューを持って、くーと森の中をトレッキングしたいと思います。
おいしいものと温泉とトレッキング。北海道は夏も冬も楽しめる場所です。私たちはやっぱり北海道が好きなのだと、あらためて今回の旅で感じたのでした。くーも飛行機以外は、そう感じてくれたかもしれません。流氷リベンジは成功したので、次回は何をテーマにしようか、楽しみです。
(Travel date : 2007年3月)
(2007/5/14掲載)
(東京都、Yさん
くーたら日記
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ゲストハウス
ホステル
サービスアパートメント
アパートメントホテル
ログハウス
[同伴可部屋数]
全室
2室以上
1室のみ
[犬のサイズ]
超大型犬
大型犬
中型犬
小型犬
[ネコの受け入れ]
ネコ
[犬・ネコ以外の受け入れペット]
インコ
ウサギ
オウム
かぶと虫
キツネ
ハムスター
ハリネズミ
フェレット
ミニブタ
モモンガ
モルモット
リス
リスザル
猿
亀
魚類
金魚
昆虫
鳥
両生類
爬虫類
[ロケーション]
シティ
リゾート
[ペット同伴タイプ]
ペットも同伴できる普通の宿
ペット同伴専門の宿
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[宿タイプ]
ペンション
プチホテル
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