北海道札幌市在住の30代の夫婦です。柴犬を2頭を連れての車&フェリーの旅でした。 2年前に旦那が関東へ兄弟旅行をした際に、2頭めの柴犬をもとめました。今回の旅行は、その犬を里帰りさせてやりたい、生まれ育った家とブリーダーさんに会ったら犬はどんな顔をするか??という飼い主のロマンから関東行き旅行を企画しました。
札幌を出発、フェリーは函館→大間の航路を使いました。札幌から函館までは4時間以上かかります。フェリー乗船時間は1時間40分です。青森での1泊は必須でした。 旦那がネットで必死に探してくれ、やっと見つけたのが青森県薬研にある薬研荘でした。青森県は、なかなか犬連れで泊まれるお宿は少ないようですね。 |
夕方6時40分にフェリーから下り、宿についた時は辺りはもう真っ暗。幸いカーナビがあったので、それを頼りに道を進みましたが、薬研温泉街に入ったところで、宿が分からなくなってしまいました。焦って宿に電話をすると、親切に道案内をしてくださり、無事に宿に着くことができました。 私と犬一匹はフェリーに酔ったので、吐き気で落ち着かなかったのですが、時間が経ち体調が戻るとともに宿の良さにだんだん気づいていきました。
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宿の女将さんがHPでも書かれていることですが、「見た目の建物はこじんまりとしているけれど、あたたかいもてなしと掃除に力を入れている」とのことその通りのお宿でした。本当のおもてなしとは何なのか、宿に行けば分かります。 薬研温泉街は歴史があるのだと聞きました。建物はたしかに古いです。おじいちゃん、おばあちゃんの時代からあったのではないかと思える年季の入ったものですが、その隅々まで、しっかりと掃除がされているのです。山の中ですから虫も多いはずですが、虫の死骸どころか部屋に虫もでてこない。かなり徹底した管理をされているのだと思いました。
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お部屋は12畳くらいあり、広く感じゆったりできました。宿の中でひと部屋だけの犬も泊まれるお部屋でした。犬可の部屋と他のお客さんの棟は別になっており、多少、犬が鳴くくらいなら、あまり声は外に漏れないそうです。
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"気兼ねしないでください!"という女将さんの言葉が嬉しく感じました。
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宿の前面から写した写真では、民宿のようなとても小さな建物に見えるのですが、奥の方に長屋があり、思っていたよりも建物の全景は大きいです。
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到着時の犬の搬入ですが、他のお客様のご迷惑にならない様に、脇道を通って、奥の長屋に直接、ケージで運びました。できるだけ車を近づけて楽に搬入できるよう、お気遣いくださいました。 うちの犬はケージごとの搬入だったので必要ありませんでしたが、搬入口で犬の足拭き雑巾を用意していてくださいました。
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人は泊まった宿について、時々、"古いからいい宿ではなかった"などと感想を言うことがことがありますが、しかし、薬研荘さんのお部屋で寛いでみて、古いから悪いのではない、部屋の掃除が十分になされていないことが居心地の悪さを生み出していたのだ、と気づかされました。そんなことを思うくらい、薬研荘は綺麗で居心地のよい宿でした。
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渡り廊下があり、それぞれの部屋のドアが並び、宿内のちょっと離れたところには、おそらく宿のご家族も暮らしているのでしょう。部屋にトイレはないのでトイレも手洗いも共用ですが、共用の不便さを感じないくらいキレイで使い心地がよく、はみがきコップやドライヤーなどの備品も並び、何だか家族的で、朝の連続テレビ小説でてくるような、宿の息吹きを感じられるような、そんな人のあたたかさを感じた宿でした。
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お風呂はの源泉かけ流し。ただシャワーがない点が残念でしたが、水道からでるお湯も源泉だそうで、シャンプーをした後、一生懸命、洗面器で泡を流しました。
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普段なら「ちょっと不便!」と気分を害すようなエピソードも、何だかそんなものよねと楽しみに感じるところが不思議ですよね。
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お食事は、朝夕ともに部屋食で、犬とともにゆったり楽しめました。 どれもおいしかったですよ。おひつにご飯もこんもりで、がんばって全部食べました。 青森はどこに行ってもそうですが、お食事処は盛りが良い。みんな気前がいいんですね。 女将さん自慢の家庭的な料理だそうですが、夕食は、あわびとわかめのしゃぶしゃぶコースにしたので、かなり豪華な食事となりました。近くの山で採れたきのこの鍋。 スーパーじゃ見かけない様々なきのこが入っていて、とてもいいお味でした。驚くことに、きのこだけの出汁だそうです。残ったスープが余りにもったいないので、ご飯を入れておじやにしました。後のお料理は、イカやイワナなど、名産の食材がいろいろとでてきて、"青森"の味覚を楽しめました。
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最後に、帰りのフェリーの航路、強風で欠航になるかと心配でしたが、「もし欠航したら、また薬研荘に泊まろう!!」と思ったほど、お気に入りの宿となりました。 薬研荘に2頭いた看板犬のうち、1頭が不慮の事故で亡くなったばかりだそうですが、ご冥福をお祈りいたします。
(右
: 朝食)
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(2010/10/1)(札幌市、A.Yさん)
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