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伊豆高原、城ヶ崎。温暖で多くの宿泊施設がひしめきあうリゾートエリアというイメージを持っていました。私が30年以上前に最初に伊豆を訪れた時、宿泊した場所もこの伊豆高原でした。
海の美しさでいえば西伊豆や南伊豆。東伊豆は都心からのアクセスがしやすい事もあり、熱海伊東といった古くからの一大リゾート地や修善寺からすると、その他はまだまだ知らないところもあります。
今回はこの伊豆高原にあり、高級リゾート施設に縁がない私たちも耳にした事がある「ウブドの森」さんに宿泊します。コーギーのめいを連れ、東名から小田原厚木道路を経由し、海岸線をのんびり南下。昔と変わらず細く曲がりくねった道で、休日は慢性的な渋滞が発生する真鶴までのボトルネックを早朝に抜けました。他のアプローチとしては、箱根越えをして稜線沿いの伊豆スカイランを全線走るか、沼津方面から修善寺経由で山越えするか、西伊豆、南伊豆とぐるっと回り込むしかありません。 |
バックパッカー時代にバリに行く計画を立てた事はあるのですが、アジア圏としては物価が高くて断念しました。ビーチリゾートが有名ですが、私たちは遺跡やジャングルに囲まれたウブドゥのロスメンに泊まりたかったのでした。今回のお宿はそのイメージのロケーションに期待です。とはいえガムランが鳴りケチャのリズムが聞こえる高温多湿のジャングルというのはさすがになく、静かな森の中の落ち着いた施設というのが第一印象でした。
エントランスはホテルのようにロータリーになっており、中央に水が流れる塔と植栽がゴージャスさを演出しています。傍らの駐車スペースへ車を停め、バリのイメージあふれるエントランス内のレセプションで手続きをすると、スタッフの方が出てこられて車から部屋まで案内しつつ荷物を運んでくださいました。当然ですがこの一連の行動中、めいもずっと一緒に施設内を歩きました。 |
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今回泊まった部屋はスイートと名前はついていますが、それほど大げさなものではなく、2LDKほどの間取りのRC造の建物でした。扉を入ると土間があり、右手にトイレ、目の前にはリビングが広がっています。
インテリアも籐のソファとマッージチェア、ドッグサークル、大型のテレビ、ローテーブルがあります。照明もアジアっぽく、壁の絵や装飾もなかなか凝っており、各部屋の照明には調光機能やセンサーライトがついていて、暗くなってからでも戸惑う事はありません。 |
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部屋はリビングを中心に右手がベッドルーム、左手が和室と水周りになっていました。ベッドはバリのロスメンにあるような天蓋付きでカーテンで囲まれており雰囲気満点です。
通常犬はベッドの上にあげないように注意されるのですが、こちらはベッドの上でくつろがせることも許可されていました。ある意味飼い主側の常識度を試されていると受け取るべきなのかもしれません。 |
和室にはタイ土産でも有名な三角枕がおいてあり、寝ころびながらテレビを見る事ができます。
自宅に和室がないのでより感じたのかもしれませんが、今日のように湿度が高い日などは和室でごろごろするのも気持ちよいものです。
和室、リビング、寝室それぞれに小さいベランダがあり、そこからは眼下の小川越しに広いドッグランが木々越しに見えていました。 |
浴室は石造りの浴槽と壁に坪庭のような植栽があり高級感たっぷりです。実はこちらには貸切りで敷地内の別の棟に露天風呂が3つあり、こちらを予約していたので部屋のお風呂は使用しませんでした。また洗面台にもダイソンのドライヤーやアメニティも充実、小さいトリミング台まで揃っていてさすがスイートといった感じです。 |
部屋で一息入れたあと、部屋に設置されている作務衣に着替え、施設内の探索に出ました。こちらは到着からチェックアウトまで、レストランも含め作務衣を纏ってリラックスして過ごすスタイルだそうです。犬用の作務衣も犬種向でサイズがいろいろ揃っているのが徹底しています。
まず客室棟からさきほどのインフォメーションがあったメイン棟へは屋外の屋根のある渡り廊下を通っていきます。途中にはトイレ紙や散水蓋がついて水が入っている洗浄用のペットボトルが設置されていて、敷地内各所に同じ設備が配置されていました。 |
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メイン棟には朝夕の食事をとるレストランや売店のほか、屋内ドッグランやドッグシャワーやトリミングルーム、写真室がありました。その脇を階段で下っていくと、途中にテラスとテーブルセットが南下すおあり、気候がよい時はこちらでお茶をすると気持ちよさそうでした。
小川を渡る橋を超えると、さきほど部屋から見えていたドッグランがあります。きれいなウッドチップが敷きつめられた中に、ほどよい木々やベンチ、ハンモックが設置され、手入れのよく行き届いた空間でした。
よくドッグランを囲む木製フェンスの扉がうまく閉まらない状況を見かけるのですが、こちらはゆがみもなくきっちりと開閉ができました。細かいところですがちゃんと普段から気を配っている証拠でしょう。 |
まだ明るいうちに貸切露天を使わせていただきました。私たちが利用したのは岩風呂のある「梢」というお風呂です。脱衣所棟に犬を待機させるベッドとフックがあり、アメニティはまったく不足なく、シャンプーやコンディショナーなどもブランド別に数種類を揃えられているという徹底ぶり。暗くなって照明の中で入るとより雰囲気が出そうです。森の中にある露天風呂のような雰囲気で、日中真夏の日差しにさらされた身体を流し、のんびりとあたたまる事ができました。 |
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風呂上がりはいよいよ楽しみな夕食です。レストランはフロントのあるメイン棟にあります。時間帯を2つに分けて、スタッフの人数にあわせてちゃんとサービスがまわるように考えられているようでした。
我が家は19:40からの後半にあわせて出向くと、他のテーブルに座っているお客さんもみなさん作務衣姿。スタッフのみなさんだけでなく、厨房の方々もみなさんにこやかに迎えてくださいます。 |
料理は評判通りのコース料理です。伊豆らしい海のものが特に映えます。今季節まっただ中の生桜海老も登場しました。野菜も魚も肉も、そして天城の山菜など大変おいしく豪華な内容に大満足です。めいにもいろいろとあげました。普段は生肉ベースですが、豚肉、鶏肉、牛アキレスの肉にはそれぞれソースがトッピングでき、リゾットなどの穀類、ドライフードしか食べられない子用に5種類のドライフードとはかりまで用意されていました。一応、食べ放題だそうです。 |
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■夕食メニュー
1. 天城産紅姫天子と山菜のデュエット
2. オードブル リコッタチーズとトレビズのマリアージ、桜海老、木の芽味噌、アスパラガスラピゴットソース、ハムに見立てた静岡鶏と野菜のオレンジ風味、野菜のテリーヌ
3. バーニャフレスカ菜園仕立てオーロラソース
4. .本日の地魚盛り合わせ 特製土佐醤油・西伊豆産塩
5. 鰆のミキュイ 新玉葱と桜海老のプレゼサフランソース
6. 和牛肉のロースト 和風バターソース
7. 筍御飯 吸い物 香の物
8. ドルチェ ババロア、クレープドフリュイ、抹茶のムース、ピスタチオアイス
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テーブルは普通の高さなのですが、飼い主の横には低い犬用の椅子というかクッションが張られた台がありました。大型犬なら普通にテーブルに顔が届く微妙な高さでしたが、めいは短足なので結局飛び上がってしまい、じっとしていられないようでした。お隣さんのボックステーブルとの間にはパーティションが置かれ、個室感覚で犬たちもあまりまわりを気にする事なく、一緒に食事ができるように気配りがされています。丁寧な給仕の女性が入れ代わり料理を持ってきてくださり、食後には家族の記念写真も撮ってくださいました。
食後一旦部屋に戻り、部屋の雰囲気に浸りながらリラックスタイムです。設置されている簡易マッサージチェアで体をほぐし、温かいお茶を入れて明日の天気情報やバッテリー類の充電をし、雨予報な明日の情報収集しました。めいはさすがに今日は疲れたのか、ひんやりとするフローリングでうとうとしています。
夕食時に聞いた21時から飲み放題のバータイムにあわせて、私だけですが試しに行ってみる事にしました。飲み物と評判と聞いている夜泣きそばを半玉だけオーダー。おなかいっぱいでしたが、さっぱりとした醤油ラーメンを軽く平らげてしまいました。他に味噌味もあるそうですが、半玉とはいえさすがに夜に2杯は断念しました。 |
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そして就寝は0時前。今日は満室という話にもかかわらず、とても静かな夜でゆっくり寝る事ができました。
翌朝6時、朝から雨予報だったのですが、まだ降ってはいませんでした。湿度が高く今にも降り出しそうでしたが、まだ濡れていない敷地を少し散歩してから、朝食をとりにレストランへ。
メニューは和食で内容も豪華でした。焼き魚を3種類からチョイスでき、やはりここは金目鯛を選択。ごはんも食べすぎてしまいます。めいには昨晩と同じメニューですが、普段朝はドライフードなので、食いつきが違います。正直人も犬も昨日から食べ過ぎです。 |
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チェックアウト前に少し雨がパラパラと落ちてきましたが、少しだけ室内ドッグランで遊ばせてみました。広さ的にも小型犬向けのアジリティ機材、つり下げ型の飼い主と犬用のロッキングチェアなどがあり、本格的な雨でも充分に遊べそうでした。
私たちは9時すぎにチェックアウトしましたが、他の宿泊客の方々はどなたもでかけていません。きっとこのような宿では周辺観光より、この宿でゆっくり過ごす事が目的だという方が多いのでしょう。
そういえば昔、宿側の都合でエコノミーの予約だったのに2階建てのスイートに案内された時は、10時のチェックアウトぎりぎりまでその部屋で過ごした事がありました。リゾートでは観光よりも日常では味わえない時間を楽しむものですから、こちらはそれにぴったりの宿ではないでしょうか。
またもしも機会があれば、今度は離れに泊まってみたいと思いました。こちらは完全に和風の戸建て平屋で、超高級な空間だそうです。まず、そんな機会はやってこないとは思いますが…
(2018/5/22〜23泊) (2018/7/13)(埼玉県、Yさん)
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