ペットと泊まれる宿・ステイウィズドッグ

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ペットと泊まれる貸別荘ゆがふ 岐阜・八ヶ岳・伊豆

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体験記

伊豆高原 - 癒しのお宿 ちゃめごろう

体験記

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伊豆高原 - 癒しのお宿 ちゃめごろう

子供のいる家庭よりもペットのいる家庭の方が多い現代。様々な時代背景とともに、飼う・飼われるの関係から、家族・パートナーという存在に変化してきた。愛犬を家族の一員として、旅行に連れて行きたいと思うのは当然のこと。犬連れで不自由が生じる場合があることは否めないけれど、それでも妥協はしたくない。海、山など自然が豊富で温泉地も多数、不動の人気を誇る伊豆は、ワンちゃん連れに優しい施設が多く、「ワンちゃんと一緒に泊まれる宿」も数多く存在する。ストレスのないステキな犬旅を満喫できる最高の場所だ。
その中でも、城ヶ崎海岸にほど近い場所に所在する「癒しのお宿・ちゃめごろう」は、私の大のお気に入りであり、これまでに幾度とお世話になっている。
玄関前にはウェルカムボードが設置。「おかえりなさい」、「はじめまして」の気遣いもうれしい。館内に入った瞬間、優しいアロマの香りに包まれる。内装はとても綺麗で、清潔感にあふれている。新築ではないが、古さは感じられない。
建物は2階建て。1階にはラウンジ、風呂、食堂、2階には3部屋の客室。館外(庭)にはドッグランがある。
客室は23帖の特別室を筆頭に、17.5帖と15.5帖の洋室の計3部屋。いずれも広々している。以前は、13.5帖の和洋室もあったが、高齢となった宿のワンちゃんのため、客室として利用することはできなくなった。犬想いのオーナーならではの決断だ。客室は、掃除が行き届き、たいへん綺麗。室内には、タオル類や歯ブラシなどアメニティがしっかり揃えられており、ケージやトイレシートなどのワンちゃん用のアメニティも完備。
特別室は、1階にある専用の風呂を使用することが可能であり、これを目当てに希望する人が多いとか。ワンちゃん1頭分の宿泊料金が無料になる特典に鑑みれば、特別室とはいえ、実にリーズナブルに宿泊が可能だ。2部屋ある洋室には、オシャレなシャワーブースが備えられている。私はどの部屋にも宿泊したが、いずれも、ストレスを感じることなく、十分にリラックスできる。
ラウンジには、フリードリンクコーナーがあり、いつでもコーヒーや紅茶等を利用することができる。マッサージチェアが2台設置されており、風呂上りに利用する人の姿をよく見かける。無論、私もその一人。
さらに、レヨコンプという波動調整器(気功のようなもの)が設置されている。これは、ドイツでは、治療法として認知されているものだそうで、体、心のバランスを整えてくれるとのこと。人間だけではなく、ワンちゃんにも効果がある(ワンちゃんの方が効果的なようだ)とされる。
私の愛犬も何度か経験させてもらった。ただし、残念ながら、今後は高齢となったお宿のワンちゃんのために活用するとのことで、宿泊者の利用は難しいようだ。どうしても必要な場合は、オーナーに相談してみるといい。
また、ラウンジにはドッグランへの出入口があり、付近にウンチを入れる袋やごみ箱などが完備されているので、手ぶらでドッグランへ向かっても問題ない。
ドッグランは300坪の芝生。思いっきり駆け回れる。十分な広さがあるので、ほかのワンちゃんを気にする子でも、ストレスなく楽しめるだろう。このドッグランは、実は平成27年11月に完成したばかり。それ以前からドッグランはあったのだが、一部が芝生で、大半は樹木が生い茂った林というものであった。それはそれで良かったが、やはり障害物のない広々とした芝生のランの方が、うちの子には良さそうだ。笑顔で走る姿が微笑ましい。
風呂は天然温泉で、貸切で利用するタイプ(1つのみ)。予約制ではなく、時間制限も設けられていないことから、心ゆくまで温泉を楽しむことができる。ただし、言い換えれば、風呂が1つしかないため、他の人が利用している間は、空くまで待たなければならないということでもある。
浴室内には温泉の出る蛇口があり、蛇口をひねれば、かけ流し状態で入浴することができる。かすかに塩分を感じる、透明なやさしい湯である。露天風呂はないものの、貸切で、実に落ち着く風呂である。
人間用の浴槽に隣接して、ワンちゃん用の浴槽がある。さすがに人間と同じ浴槽に入ることはできないが、飼い主と愛犬が同時に温泉に浸かれるのはたいへん魅力的だ。
シャンプー類も、ハーブ・アロマテラピー専門店で取り扱われているものが備えられている。香りも使い心地も良い。ワンちゃん用のシャンプーも、ハーブの上質のもの。温泉にシャンプーで、ワンちゃんはフワフワだ。
脱衣所には足ふきマットが用意されており、その都度、交換することができるため、とても衛生的。ワンちゃん用のタオルも多数用意されているので、温泉上がりのワンちゃんの体を拭くのに困らない。
また、ワンちゃん用のトリミング室があり、トリミングサロンで見かけるような、トリミング台と専用ドライヤーが備えられている。無料で利用でき、ワンちゃんの体を乾かすのに大変便利。ワンちゃん用のシャンプー台も設置されてはいるが、やはり、温泉に入れてあげたい。
1階には風呂がもう1つあるが、それは特別室の宿泊者専用となっている。
館内を流れる水は、創生水という、たいへん小さな分子構造を持つ水で、体に浸透しやすく、油と混ざり合う不思議な水である。体に良く、客室にも飲用として用意されているが、この水の性質を最大限に生かした風呂が、特別室専用の風呂である。創生水の風呂であって、温泉ではないのであしからず。
創生水にアロマオイルを入れて乳化させ、さらに浴室内に設置されているマイクロバブル発生装置を作動させて入浴する。アロマの香りに包まれながら、ミクロの泡で日ごろ落とすことができていない汚れがとれ、心も体もリフレッシュ。風呂上り、スベスベの肌を実感するだろう。風呂上りには、ビールもいいが、是非とも、ラウンジのフリードリンクコーナー、あるいは客室(ポットが用意されている)で、ゴクゴクと創生水を飲むこととしたい。
夕食は18時30分、朝食は8時30分から、1階の食堂でとることとなっている。もちろん、ワンちゃんも一緒。テーブルには、ワンちゃん専用の椅子があり、これがたいそう優れもので、我が家に欲しいくらいなのだが、残念ながらもう製造はしていないらしい。
夕食は、A5ランクの和牛の鉄板焼きあるいはすき焼きといった肉料理、刺身や金目鯛の煮付といった魚料理を中心に、ボリューム満点。少し甘めの味付けが抜群に良い。長野県飯山産のコシヒカリを土鍋で炊いたご飯が進む。
オーナーのおすすめの食べ方のひとつは、金目鯛煮付の汁や渡り蟹の味噌汁をご飯にかけて生わさびと一緒に食すというもの。行儀なんか気にせずに食べてほしいとオーナー自ら宿泊客に紹介する。
デザートは、ケーキやフルーツ、アイスなど3種類程度が提供される。どれも絶品。デザートがこれほどまでに豪勢な宿もそうありはしない。食事は豪華でとてもおいしいが、太ることはほぼ間違いないため、ダイエット中の方は要注意ということになる。
宿泊者によって食事のコース内容が異なる宿がある中、この宿は、宿泊者全員が同じメニュー。その分、材料の質を上げることができ、調理にかける手間も増やせるという。もちろん、連泊の場合は1泊目と2泊目でメニューは異なるが、この宿が原則として連泊を2泊までとしている理由がここにある。宿泊者皆がおいしいと口をそろえて言う。そんな声を幾度となく聞いた。この宿の味付けは何度食べても飽きない。
ワンちゃん用のご飯もお願いすれば用意してくれる。肉に魚、いつも本当に手が込んでいる。おなかの弱い子は食べなれた食事を持参した方が良いとは思うが、提供されるのは人間も食べられる上質なものだ。
朝食は、魚と野菜を中心に、オリジナルのドレッシングをかけて食べるサラダ、湯豆腐(夏は冷奴)、極め付けは、土鍋で炊いた鯛めしである。1杯目はそのまま、2杯目は薬味とだし汁をかけてお茶漬けとして食べる。絶品である。満腹になり、鯛めしを食べきれなくても、がっかりする必要はない。
おにぎりにしてくれるので、後で食べればよい。冷めても十分においしい。このおにぎりに、私はもちろん、宿泊客は大喜び。食後にデザートとコーヒー(紅茶)が出て、締めとなる。朝からの豪華な食事に優雅な気分になる。
オーナーは、この宿を開く前、ワンちゃん保育園・トリミングサロンを経営していただけあって、ペットに関する知識が豊富。そのお店は、現在、息子さんが引き継いでいるという。オーナーの格好は、一見すると、山奥の陶芸家か仙人のようであるが、決して気難しいわけではなく、ワンちゃんが好きなやさしいおじさんだ。話も面白い。
オーナーの奥さんとは、チェックアウトの際くらいしか顔を合わす機会がないかもしれない。ただ、実はオーナー以上におしゃべりが好きで、スイッチが入るとマシンガントークが炸裂する。奥さんと会話が弾むようになれば、立派なちゃめごろう通と言えよう。
宿には数多くのワンちゃんがいる。ネコちゃんもいる。皆良い子だ。ドッグランで目にする機会があるとは思うが、オーナーに言えば、直接触れ合うこともできるだろう。
幾度とお世話になっているこの宿、訪れるたびにどこか何かが変わっている。人と犬の癒しのための改良をオーナーが日々考えており、それを実行に移している。その行動力には頭が下がる。
これまで、いろいろな宿を訪れてきたが、この宿ほど、ストレスなくリラックスして過ごせる宿には出会えていない。オーナー夫妻の人柄はもちろん、設備、食事ともに申し分なく、それでいてリーズナブル。本当にコスパが高い。この満足感、充実感は他を圧倒。癒しのお宿との肩書は、決して大げさではない。この宿がある限り、私の犬旅は終わらない。
(2015/12/29泊)
(2016/2/8掲載)
(東京都、Sさん)

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